花や昆虫、アクセサリーなど小さなものの接写に欠かせないマクロレンズ。近ごろは等倍を超える、撮影倍率が非常に高い製品も増えてきた。今回使ったのは、強力なマクロレンズのひとつ、オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro」。クラス最高の撮影倍率2.5倍でどんな写真が撮れるのか、実写レビューをお伝えしよう。
作例はすべて、クリックして拡大後、さらに原寸データを表示可能 |
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撮影倍率は35mm判換算で2.5倍
オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro」は、マイクロフォーサーズシステムに準拠した標準マクロレンズだ。35mm判換算の焦点距離は60mm相当。「M.ZUIKO」シリーズのマクロとしては、このほかに中望遠の「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」(2012年発売) があるが、それに比べると焦点距離が短く、取り回しの自由度がより高い。
最大は注目ポイントは、撮影倍率が等倍を超える1.25倍に対応し、35mm判換算では2.5倍にもなること。そもそもマイクロフォーサーズシステムは接写に有利な規格といえるが、中でも本レンズは圧倒的な撮影倍率を誇っている。
2.5倍という撮影倍率がどれくらいの性能なのか、硬貨を写してみたのが以下3枚の写真だ。ほぼ最近接で撮影しており、撮影距離は95mm、ワーキングディスタンスは14mm。およそ13.9×10.4mmの範囲が写る。
見慣れた五円玉や十円玉も、ここまで拡大して見ることはあまりないだろう。PCのディスプレイで等倍表示にすれば (作例はクリックして拡大後、さらに原寸データを表示可能)、顕微鏡を覗いているような感覚が味わえる。小さなキズや汚れまで生々しく再現されて少々不気味かもしれないが、迫力ある写真となった。
ほかにも、身の回りのさまざまなものを超接写すると面白い。次の2枚は何を撮ったものか、わかるだろうか。
答えは電子機器の基板を大写しにしたもの。斜めのアングルを選んで前後にボケを作り出している。絞り開放値付近では、形がきれいな玉ボケが現れることもこのレンズの特徴だ。