紙の書類作業で便利なアイテムのひとつが、スタンプである。日本語では「印」だが、印鑑よりもスタンプの方が幅広く日常生活で使うイメージだ。筆者も住所スタンプや封筒に押す「請求書在中」スタンプ、「済」スタンプなどを所有している。

スタンプの利点は、簡単なことと目立つこと。LINEが流行った理由のひとつもスタンプ機能だが、あれもワンタップでメッセージを伝えられるゆえ、忙しい、もしくは返信する文章を考えたくない人に、イケてるスタンプが受けたわけだ。そして、有料のスタンプが買われるのは、個性を出したい、差別化したい、好きなものを使いたいという意識が働くからだろう。

懐かしのリアルスタンプを作りたい

さて、オリジナルのスタンプを「Bamboo Slate」を使って作ろうと思いついた。LINEスタンプではなく、紙に押すリアルスタンプだ。オリジナリティはイラストで表現し、そこに文字を入れることにした。文字は汎用性の高い「ありがとうございます」に。返送する書類や、添付する名刺に押せば、それなりに感謝の気持ちが伝えられそうだ。

手順としては、まず「Bamboo Slate」でイラストを描く。パソコンに転送して調整、文字を入れる。スタンプの作成は、手書きのイラストや文字をそのままスタンプにできるオンラインストアを使用した(調べてみると意外とある)。対応するファイル形式は、スタンプを作成するサービスによって異なるが、今回はPhotoshopのデータ(psd)で問題なかった。

「Bamboo Slate」でスタンプのイメージを作成。文字はパソコンで入れることにした。文字はもちろん手書きでも入れられるので、より個性を発揮したスタンプにしたい場合は、手書きにするのもオススメ

スタンプの作成サービスの規定に従ってサイズや解像度を整える

もうひとつ、似顔絵スタンプを作ることに。モデルは担当編集者。怒りの表情のNGスタンプ

手描きイラストからスタンプ完成、ちょっと感動……

オンラインストアで注文し(決済し)、その後メールでデータを送信する。手元に届くまでは、サービスによるが数日~1週間程度。価格は、小さいものなら1000円以下と意外に安い。ストアによってはインクが内蔵され、スタンプ台がなくても押せるタイプも作成できる。

左はスタンプ台を使うタイプ、右はインク内蔵でそのまま押せるタイプ

手描きのイラストが物理的なスタンプとなって届くのは、ちょっと感動だ。デジタルで、スタンプのコミュニケーションが流行り、その楽さが浸透した今こそ、紙に押せるスタンプの利用価値も再び認識されてもいいんじゃないかと思う。そして、アナログ(手書き)からデジタル(データ)、そしてアナログ(スタンプ)への橋渡しとして、「Bamboo Slate」は使えるヤツである。さて、次はどんなスタンプを作ろうかな?

押してみた。利用シーンは多いのではないだろうか。左のNGスタンプは直接使われたくはないが……

などと思ってたら、担当編集から無言でスタンプだけ押された原稿が返ってきた