15日に日付が回ったころ「シャープ、液晶TV国内生産撤退へ『世界の亀山』に幕」との記事が朝日新聞から出た。しかし、シャープは報道を否定。亀山工場では、大型液晶テレビの生産を、栃木工場では、最先端の8K テレビの開発を行うと説明した。
一連の報道では、シャープの戴社長が、「国内の大量生産では採算が合わない。海外に移管せざるを得ない」などと述べ、テレビの生産をホンハイに委託する考えであると紹介。亀山工場では、スマホなどに使われる中小型の液晶パネルの生産に集中するとの内容が書かれていた。
この件に関してシャープの広報は報道を否定し、「当社の国内液晶テレビ生産に関する一部報道について」と書かれたペーパーをもとに、同社の方針を説明した。内容は以下の通り。
3 月 13 日(月)の社長懇談会にて、「新生シャープの方向性」における「生産」について、戴社長から競争力を高めていくための方針説明があった。方針は2つ。
「日本国内の工場はスマートファクトリー化(全自動化、高度な自動化を含む)」、「複雑な手作業が多いアッセンブリーについては、鴻海や海外協力工場などへ移管」との方針だ。
さらにこの2方針を前提として国内液晶テレビについては、以下の方針で検討しているという。
・海外生産に移管した場合、運送費用の上昇や輸送期間の長期化などにより競争力の低下が見込まれる大型液晶テレビ(例えば80型、90型など)については、亀山工場にて生産。同工場では、2017 年度に 45 インチ液晶パネルの開発、及びパネルからテレビまでの全自動生産ラインの設置を検討。その他サイズのテレビ用液晶パネルも生産を継続する。
・最先端の8Kテレビは栃木工場にて開発。生産については、スマートファクトリー化を前提に、栃木または亀山工場にて行う。
・先に述べた全自動生産ラインにより十分な競争力が得られれば、45 インチ以外のテレビ生産の可能性も検討する。
・栃木工場は、液晶テレビの開発、試作、アフターサービスを行う拠点とする。
2018年度にはテレビの販売目標1000万台を掲げるシャープ。5月中旬には「中期経営計画」を発表し、今秋には一部復帰を目指すという。どのような施策で、復活を目指すのか、注目していきたい。