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「体がつらくても無理して出社」というスタイルは、外国人の目にどう映るのだろうか |
会社員の過重労働に関する問題が昨今相次いで起きていることを受け、ワーク・ライフ・バランスの必要性が各方面で今まで以上に叫ばれるようになった。この状況自体は好ましいことである。
とはいえ例えば会社の繁忙期ともなれば、私たちの多くは「他の人たちに迷惑をかけられない……」などと、多少の無理をしてでも出社してしまうのではないだろうか。こういった我慢強さ・忍耐力は日本人の美徳の一つとも言えなくもないが、当該人の健康面をおもんぱかればきちんと休みをとった方がいいことは明白だ。
ではこの問題、異国の人たちはどのように考えるのだろうか。今回は日本在住の外国人20人に「日本人の働き方」について質問し、母国と比較した意見も聞いてみたので紹介しよう。
Q.多少の体調不良でも出勤して働くことがある日本人の働き方をどう思うか、母国と比較して教えてください
賛成
・「日本のビジネスマンに責任感があるのはすばらしいことだと思います。母国はちょっとしたことで欠勤する人がいますが、私は日本で働き始めてから欠勤したことがないです(約2年)」(エジプト/30代前半/男性)
・「体調が悪くても、責任をもって出勤する日本人はえらいと思います。母国では出勤するかどうかはおそらく、所属する階層の位置によると思います。社内でのポジションが下の人は労働法を利用し、普通のかぜでも病院で診断書を書いてもらって休む人が多いと思います。上層部の人は自分の体調よりも会社への責任を優先するため、可能な限りいつも出勤すると思います」(ブラジル/40代前半/男性)
・「素晴らしいと思う。タイの法律では有給休暇のほか、年間30日間の病欠が許されるから、みんなよく休む」(タイ/30代前半/女性)
・「日本のサラリーマンはまじめですから、尊敬します。インドでは嘘をついてでも休みをとります」(インド/30代後半/女性)
・「多少の体調不良でも出勤して働く日本人を尊敬しています。ポーランド人はすぐに休んでしまいますから」(ポーランド/40代前半/女性)
条件付きで賛成
・「自分で決めて働くならばいいと思います。無理やり会社の決まりや風習でそうなるとよくありません」(トルコ/30代後半/男性)
・「熱が無ければ、働いても大丈夫だと思います」(アメリカ/20代後半/男性)
反対
・「体調不良なら休むほうがよいと思います。母国では有給休暇が多いですし、体調不良ならば休ませます」(ギリシャ/30代後半/男性)
・「効率が悪いと思います。母国では体調不良になったら出勤しない」(ウクライナ/30代前半/男性)
・「母国では有休が取りやすく、多少の体調不良でも病欠が取れる。病気にならないうちに適度の休みを取ってもよいと思う」(インドネシア/30代前半/男性)
・「あまりよくないが、台湾も同様に多少の体調不良でも出勤する傾向があるため、何とも言えない」(台湾/20代後半/男性)
・「あまり違わない。韓国でも健康を害してでも出勤するのが美学のようになっている。しかし、これは絶対よくないと思う」(韓国/30代前半/女性)
・「ありえないですね。体調が悪いと仕事になりませんから、家で休みまた治ってから仕事します」(ドイツ/40代後半/女性)
・「恐ろしいと思う。ちゃんと仕事ができないのに無理やり働くと、効率が悪いし回復まで時間が倍はかかる」(フランス/30代前半/女性)
・「モスクワだと同じですが、私の出身のシベリアではとんでもないことです。健康第一です。いくらお金を稼いでも、健康は買えないです。体調不良でしたら、オフをとって体を治すべきです」(ロシア/30代前半/女性)
・「体調不良でも出勤するのはとてもつらいと思います。無理して行ったとしても効率よく仕事ができないと思う。母国でならば休みます」(モンゴル/40代前半/女性)
・「よくない。母国では無理だと思うときに休みを取れる。体調が悪いときに出勤しても、仕事を100%達成できないから」(ベトナム/30代前半/女性)
その他
・「イタリアは日本よりその傾向が少なくて、あったとしても『しょうがなく』出勤することになります。日本の場合は、『病人の出勤』が自慢話となる場合があると思います」(イタリア/30代前半/男性)
・「母国でも、病気でも無理して仕事に行くケースをよく見かけます。母国でも日本でも、雇い主がもっと会社員に優しくしてほしいと思います」(モロッコ/30代前半/男性)
・「休むと『自己管理ができてない』と批判されかねないので、出社は仕方ない。母国では会社によって違います」(キルギス/30代前半/女性)
■総評
今回のアンケートでは、半数が「体調が優れないときは仕事をするべきではない」と回答した。反対した人の内訳は男性4人、女性6人とほぼ半々で特に女性において「体調不良の中で仕事をしても100%のパフォーマンスが発揮できないため、効率が悪い」といった趣旨のコメントをする人が目についた。
その一方で「完全に賛成」に分類できそうな回答は5件あり、「責任感」「まじめ」というキーワードを使って日本人の勤勉さを称えていた。賛成派のタイ、ポーランド、インドの回答者は「母国の勤め人はすぐに休む風潮がある」といった趣旨のコメントを寄せていることもあり、日本人の働く姿勢にさぞかしギャップを感じたのではないだろうか。
※写真と本文は関係ありません
調査時期: 2017年1月23日～2017年2月28日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20名
調査方法: インターネット応募式アンケート
