ディスカヴァー・トゥエンティワンはこのほど、『ある日、突然始まる 後悔しないための介護ハンドブック』(1,300円・税別)を発売した。
同書の著者は、介護者の交流を目的にしたカフェ「ケアラーズカフェ」を運営し、孤立しがちな介護者の居場所づくり事業を行う阿久津美栄子氏。同書では、多くの介護経験者が実感した「あの当時、本当に知りたかったこと」にスポットをあて、介護の始まりから終わりまで、状況に応じた知識や情報を簡潔にまとめている。
介護が始まるきっかけは認知症や脳血管疾患、骨折など人さまざまで、多くの介護者は「いったいいつまで続くのか」「これからの自分の生活は? 」といった不安を抱えるという。しかし、その後の介護の流れには共通する段階があり、介護が終わるまでの道のりは、ある程度見通すことは可能であるとしている。
介護が始まった最初の段階は、要介護者の異変が発覚する混乱期で、介護者は精神的に受け入れがたい状態になりやすい。次は、要介護者の症状に即した対応に追われる負担期で、この時期には疲労や絶望感が増大するとのこと。
やがて要介護者の症状が進行し、ほぼ寝たきりとなる安定期に突入する。自宅介護が限界となり、介護施設を利用することも検討される時期だという。この頃には、割り切り・受容の境地になるとのこと。最後は別れの時の看取り期を迎える。
同書によると、「介護者と要介護者、そしてその家族がより良い時間を過ごせること」が介護の成功のポイントだという。介護の道のりを把握し、いま自分はどのあたりにいるのかを知ることができれば、「いまやるべきこと」「これから先の時間をいかに過ごしていくのか」などが客観的に判断できるようになる、としている。
また、介護が始まると介護者は社会から孤立しがちになるため、他の介護経験者と話す機会を持つことが有効であるとのこと。介護に追われ、行き当たりばったりの状態になっていたときは、自分が置かれている状況を具体的に書き出し可視化すると、解決の道筋が見えてくるという。
そのほか、申請、お金、相談、保険、施設、サービス、医療、相続、看取り、記録のつけ方などについても解説している。