3月11日より全国劇場にて公開される『劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』の完成披露上映が2月23日に新宿ピカデリーにて開催され、主演のクレナイ ガイを演じる石黒英雄をはじめとするメインキャストが舞台あいさつを行った。
本作は、2016年7月から12月まで放送されたテレビシリーズ『ウルトラマンオーブ』の劇場版で、闇のアイテム・ダークリングの力で地球を宝石に変えようとする邪悪な宇宙人軍団を相手に、ウルトラマンオーブが大激闘するという見どころ満載の作品である。劇場版ならではの趣向として、ウルトラマンギンガ、ウルトラマンビクトリー、ウルトラマンエックスとの「絆の力」によって、オーブが新たなる姿「オーブトリニティ」へと変身するほか、今年放送開始50年を迎えるウルトラセブン、そしてウルトラマンゼロも登場。地球の未来をかけた史上最大の戦いが繰り広げられる。
オーブリングでウルトラマンオーブに変身するクールな風来坊クレナイ ガイを演じる石黒英雄は「みんな元気? こんにちは!」と、客席の子どもたちへ気さくにあいさつ。本作で対峙する最強の敵・ムルナウについて尋ねられると「鬼奴さんのおかげで気が引き締まりました。ムルナウとの戦いは特殊なもので、間接的というか、怪獣を通しての戦いになります。また、戦いが終わったあと、ガイがムルナウと対面するシーンが見どころの一つです」と熱く語った。
そして、会場に詰めかけた多くのファンに感激した石黒は「ウルトラマンに参加してよかったと心の底から思います。みなさんが『ガイさん』と呼んでくださり、愛されているなと感じています。みなさんに恩返しができるよう、そして役者としてさらなる一歩に踏み込めるよう、ウルトラマンの名に恥じぬようこれからも一生懸命頑張りたいと思います」と、熱いメッセージを贈った。
『ウルトラマンX』でウルトラマンエックスと「ユナイト」して活躍したXio隊員・大空大地を演じる高橋健介は、昨年の『劇場版ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』以来一年ぶりに同じ舞台へ立ち、元気いっぱいにあいさつ。今回の映画ではオーブを助ける先輩ウルトラマンとして登場するのだが「予告編では『狙われた大地!』と書いてあるでしょう。助ける側のはずなのに、なぜ僕がピンチになるの?」とこぼしながら「でも映画では頼もしいところがあるかもしれませんので、みなさんぜひ楽しみにご覧になってください」と、オーブとエックスとの共闘に期待を持たせていた。
美しいものすべてを宝石にしてコレクションしている邪悪な宇宙魔女賊・ムルナウを演じる椿鬼奴は、石黒から「美しい」とその佇まいを絶賛されて上機嫌。「衣装が窮屈なので、ある程度の"圧"をかけていました」と、バラエティ番組などで見せる「酒豪」のイメージから離れて、高貴な悪のボス役を堂々と演じたことを明かした。さらに「実はウルトラマンの映画ということで、私も大きくなりたかったんですけれど、叶わなかったんです」と、ムルナウ自身が巨大化してオーブと戦うシーンがなかったことを残念がる場面も見られた。ムルナウの役柄にちなみ、「この世で一番美しいものは?」と聞かれた際は「あります。主人からもらった結婚指輪です。指輪代の返済はまだ終わっていませんが……思い出と共に美しいものとして身につけています」と神々しいまでの笑顔で語った。
ムルナウの手下として地球で暗躍する宇宙人軍団の声を演じるのは、お笑いトリオのジャングルポケット(斉藤慎二、おたけ、太田博久)。ガッツ星人ドッペル役・斉藤は、自分たちが声を吹き込んだ星人の姿を間近に観て「すごい迫力! でもよく見ると、僕と顔がそんなに変わらないですね」とにこやかに感想をもらした。世界で一番美しいものは?という問いには「子どもの笑顔。いつも輝いているなあと感じます」と、かつてNHK子ども向け番組の出演経験もある斉藤ならではの優しさあふれるコメントを残した。
テンペラー星人バチスタ役・おたけは、敵であるガイへの思いを尋ねられて「敵ながら、ガイはすごくかわいい顔をしているなあと思って。でもしっかりと、激しい戦いをしていますので、そこをぜひ観てほしい」と、宇宙人軍団の活躍シーンをアピールした。「美しいものは子どもの笑顔」という斉藤の言葉を受けて「僕も芸人ですからね、子どもたちの笑顔が欲しいんで、笑わせちゃおうかな」と自信満々に「おたけ最高潮~!!」というギャグを披露したが、見事に不発。かろうじて一人の子どもからの「笑顔」をゲットできた。
ヒッポリト星人カリスト役・太田は、先ごろTBS系スポーツバラエティ番組『炎の体育会TV』の企画でレスリングを始め、「全日本マスターズレスリング」フレッシュマンズの部(58kg級)で優勝を果たす快挙を成し遂げたばかり。「今日も芸人としてではなく、レスラーとして来ましたので、そんなに面白いことは言えません」と事前に宣言し、周囲を苦笑させた。さらに、春には第一子(娘)が誕生する予定だという太田は「産まれたら、ウルトラマンを一緒に観て、強い女の子に育ってほしいと思っています!」と嬉しそうな顔を見せた。この世で一番美しいものは?と問われると「うちの奥さん(モデル・近藤千尋)が持ってくる給与明細です!」と、愛妻に対して感謝を述べる一幕もあった。
放送開始から50年を迎えたウルトラセブン=モロボシ・ダンを演じる森次晃嗣は、オーブことクレナイ ガイとの共演についての感想を求められ「うれしいですよ。石黒くんも高橋くんもいい男ですからね!」と大先輩の風格を見せた。50年前の『ウルトラセブン』以来、後続シリーズでもモロボシ・ダン役のオファーを受け、たびたびゲスト出演しては多くの『セブン』ファンを喜ばせてきた森次は、今回の映画について「ダンという役が好きですからね。今回もダンを演じてくれますか?と依頼されたとき、まだ元気だし、じゃあウルトラアイをかけてみようかな、って思いました」と、本作でもウルトラアイを着眼しての変身シーンが観られることを明かしていた。現在73歳となった森次はダン役への強い愛着を示し「みなさんが喜んでくれるなら、80歳になってもウルトラアイをかけてみたいな」と意欲を表していた。
舞台では、クレナイ ガイ、大空大地、モロボシ・ダンによるトリプル変身シーンが披露され、観客からどよめきが起こった。50年もの年月を経た重みと風格のある森次のかけ声「デュワッ!」、高橋のさわやかなかけ声「エックスー!!」に続き、石黒が「三つの光の力、おかりします! オーブトリニティ!」と叫んで、ウルトラセブン、ウルトラマンエックス、ウルトラマンオーブ オーブトリニティがステージに登場。それぞれ得意なポーズを決め、子どもたちの歓声を集めていた。
映画『劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』は3月11日より全国ロードショー公開される。
(C)劇場版ウルトラマンオーブ製作委員会