説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『写真アプリは人工知能ってホント?』という質問に答えます。
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iOS 10に標準装備の「写真」アプリに人工知能の技術が活用されているという意味でしたら、答えはYESです。写真を分析してクラウド上の情報に照らし合わせ、被写体がどのようなものかを識別/分類して内部的にキーワードを設定し、アルバム作成や検索の手がかりとする機能が用意されています。
写真の分析と識別/分類、キーワードの設定は自動的に行われるため、ユーザが意識する必要はありません。いちどキーワードが設定されるとクラウドに問い合わせることはないので、インターネットに接続していないときでも検索することができます。
どのような被写体を識別できるかは具体的にされていませんが、「海」や「山」、「動物」や「植物」、「犬」や「猫」に「カレー」や「パスタ」など、かなりの数の単語にヒットすることからすると、相当充実した認識データベースがクラウド上に構築されていると推測できます。Appleがこの人工知能/画像認識技術を「Advanced Computer Vision」と呼んでいることからすると、さらなる進化も予想されます。
なお、検索に使用する語句は、内部的に割り当てられたキーワードの一部でもかまいません。たとえば、「空」で検索すると、空が大半を占める写真のほか、空港付近で撮影された写真もヒットします。「海」で検索すると、住所に「○○海岸」といった語句を含む写真がヒットするなど、被写体だけでなく撮影地の住所/地名までキーワードに使われることも特長といえそうです。
ただし、「写真」アプリに活用されている人工知能/画像認識技術は発展途上ということもあり、iOS 10の時点で認識精度はパーフェクトとはいえません。