仕事を休んで取り組んだ妊活の末、待望の第1子を出産した、お笑い芸人・森三中の大島美幸さん。3月9日、著書『森三中・大島美幸の日本一、明るくまじめな妊活本』(大島美幸/オレンジページ)の出版記念イベントに登場し、妊活中に取り組んだこと、感じていたことについて語った。
夫の不妊検査"最初は拒まれた"
二度の流産、子宮筋腫、妊活休業を経て、めでたく待望の赤ちゃんを授かった大島さん。妊活は不妊検査から始まったというが、夫である放送作家の鈴木おさむさんは初め、検査を受けるのを拒んだという。「口には出しませんが、『原因は俺じゃない』という気持ちがあったと思います。その時は『子どもが欲しいのはあなたも一緒でしょ?』とイライラしちゃいました」と大島さん。
「私は妊活にあたって、生活をガラっと変えましたが、『俺は生活を変えないよ』と言われてカチンときたこともあります」。初めから夫婦の協力体制が築けていたわけではなかったようだ。
しかし、大島さんの真剣な様子を見て、夫も少しずつ変わっていったという。「『夫は社長で、妻は秘書』という風に割り切ると、イライラしなくなりました。休業中で時間のある私が病院の予約や情報収集をして、後は夫を誘うだけ。同等だと思うからイライラするので、妊活中の期間限定で『この人は社長なんだ』と思うようにしました」。
ほかにも、妊活の状況をまめに報告したり、仕事が忙しい分、朝ごはんは2人で食べて、一緒に過ごす時間を作ったりと、大島さんなりに工夫した結果、少しずつ検査や妊活のための取り組みに、協力的になっていったという。
タイミング法は「期間・回数を決めて」
タイミング法、人工授精と、さまざまな方法にトライしたという大島さん。中でもタイミング法は、夫がプレッシャーを感じ、なかなか協力してくれないという話も聞く。この点について大島さんは、「"何回まで"と回数を決めるといいかもしれない」と答えた。「うちの場合は、タイミング法にトライする回数を決めて、それがダメだったら、人工授精をすぐやりましょうという話をしていた」。期間・回数を決めることが、プレッシャーの軽減につながるようだ。
また「妊活中、友人の出産を心から祝福できない」という悩みには、「無理におめでとうと言わなくてもいい」と話し、自らも祝う気持ちになれなかった過去を吐露。「自分が流産したとき、妊娠した人の出産に対しては、おめでとうと言えませんでした。でもいつか、おめでとうと言える時が来ます。その時に祝福の気持ちを伝えればよいのではないでしょうか」と話した。
ほかにも「『妊娠していなかったらやりたいことリスト』を作り、生理が来てしまっても、気持ちを前向きに切り替えられるようにする」「親戚や家族から『赤ちゃんまだなの?』と聞かれるのが苦痛な時は、妊活の内容を詳しく伝え、あえて"がんばってますアピール"をすると、周囲の声が落ち着く」など、たくさんのアドバイスを披露した。
自分の心と体を見つめ直す機会に
「私は"体を鍛えていないスタントマン"だと自分で思っています。体を張る仕事が多いので、仕事の前日には(怖くて)眠れないこともありました。しかし妊活休業中は、毎日心がゆったりとしていて、落ち着いた日々を過ごすことができました」と大島さん。アロマテラピーや足のマッサージを楽しんだり、白湯や毛糸パンツを生活に取り入れたりするなど、自分の体や心の健康にも向き合えた日々だったという。
長男の育児は「思っていたよりハード」と語り、「育児は体力勝負だと思うので、子どもが出来た時のことも考えて、体力をつけた方がいいと思います。それから、夫婦2人の時間は少なくなるので、今のうちに大切にしてほしいです」と、妊活中の人たちにエールを送った。
妊活は、家族を作るために行うもの。妊活を通して夫婦の絆を深めることができたら、めでたく子どもを授かっても、たとえ授からなかったとしても、家族にとって実りある経験となるのかもしれない。