1927(昭和2)年3月9日、南武線の前身である南武鉄道の川崎~登戸間が開業してから今年で90周年を迎える。JR東日本は3月9日に南武線開業90周年記念列車の運行を開始し、川崎駅で出発式を開催した。

南武線(川崎~登戸間)開業90周年の記念ヘッドマークを掲出したE233系が川崎駅に。3月9日に出発式が行われた

記念列車は南武線E233系1編成(N1編成)を使用し、社員が作成したという南武線90周年ロゴマークをデザインしたヘッドマークを掲げた。車内には南武線にまつわる写真などが展示されている。3月9日に臨時列車として運行された後、3月10日以降は定期列車となり、約1年間は走り続ける予定とされている。

川崎駅での出発式は5番線ホームにて開催された。出発式が始まる前には、ホームの発車標に南武線90周年を祝うメッセージも流れた。川崎駅駅長の小川久光氏は白い制服で出発式に出席。副駅長の菅沼吉宏氏は明治時代の制服を着て出席し、「レトロ感を出したい」とその理由を話していた。小川氏、菅沼氏の出発合図により、10時33分頃、記念列車は川崎駅を発車。臨時列車として登戸駅まで運行された。

川崎駅長・副駅長による出発合図

南武線90周年を祝うメッセージも

JR東日本は南武線川崎~登戸間の開業90周年を記念し、E233系を使用した記念列車の他にも各種イベントを実施する。川崎駅から登戸駅までの各駅のコンコースなどにて、写真や歴史年表の展示も行われている。

川崎駅の写真展は東京寄りの乗換え通路で行われている。乗換え階段には開業90周年を祝した階段アートも施されていた。その他にも、南武線90周年記念グッズの発売、鉄道グッズの販売が「KIOSK」「NewDays」やアトレ川崎店で行われる。武蔵小杉駅の南武線ホームと横須賀線ホームの連絡通路では、3月1日から「あなたが思い描く90年後の武蔵小杉」絵画展が実施されている。

開業90周年を祝う川崎駅の階段アート

川崎駅の乗換え通路などに、南武線の歴史を振り返る写真が展示された

東京都心から郊外へ放射状に伸びる各路線と交差する南武線。かつて砂利採取・運搬を目的に敷設された路線は、工業化の進展などにともない通勤路線へと変わった。現在は「東京メガループ」を構成する路線として、利用者も増えているという。