忙しい日々を過ごしていたらある日突然、視界が不明瞭になり目の前がかすんだ経験はないだろうか。このいわゆる「かすみ目」の状態が一時的であればそんなに心配はいらないが、恒常的に続くようだと要注意だ。
本稿では、あまきクリニック院長の味木幸医師の解説をもとに、かすみ目に陥ったときに疑われる病気について紹介する。
コンタクトが合っていないと目がかすむ
かすみ目とは「目がよく見えない状態」の総称である。実は私たちのほとんどは、生涯においてかすみ目を一度は経験する。それは老眼を通じてである。
年齢を重ねると、目の水晶体の弾力性や厚さを調節する毛様体筋の働きが低下する。水晶体はカメラのピントに相当する。このピントを調節する機能が低下するため、老眼になると近くの物が見えにくくなると考えられている。
個人差はあるものの、老眼の症状は40歳前後から現れる。ただ、30代以下でも、日常生活において以下のような条件に該当するとかすみ目の症状が出る。
■大量の目やにが出ている
■パソコン作業を連続的に行うなどして、毛様体筋の働きが低下する
■コンタクトレンズが目にフィットしていない
これらの条件で一時的にかすみ目になっている事例では、ちょっとしたことで視界がクリアになる。
「例えば、目やにやパソコン作業などが原因の場合、まばたきをするとかすみ目が治ったり、かすみの程度が変わったりします。コンタクトを装用したときに視界がかすむというのであれば、コンタクトが合っていない、またはレンズが汚れているなどの原因が考えられます」
すなわち、まばたきやコンタクトレンズの手入れで改善されるようなかすみ目ならば、基本的には心配ないということだ。