昨年10年ぶりにコンビ復活を果たしたお笑いコンビ・極楽とんぼの加藤浩次(47)と山本圭壱(49)。7月に放送されたフジテレビ系『めちゃ×2イケてるッ!』スペシャルで山本が地上波に復帰し、その後コンビで全国ツアーを実施、そして、11月20日付で山本が所属事務所に復帰し、正式に再始動となった。

先月19日には一夜限りで復活したTBSラジオ『極楽とんぼの吠え魂』で息の合った掛け合いを繰り広げたが、今度はインターネットテレビ局・AbemaTVで24時間の生番組『極楽とんぼ「KAKERU TV」~24時間AbemaTV生JACK~』(3月4日21:00~5日21:00)に挑む。放送を前に2人にインタビュー。第1弾(全3回)となる本記事では、コンビ復活までの思いや昨年の全国ツアーの感想を届ける。

――昨年開催した復活の全国ツアーはいかがでしたか?

極楽とんぼの加藤浩次(右)と山本圭壱

加藤:まず、集まっていただいたファンのみなさんに対して、本当にありがたいなと思いました。北海道から九州まで日本全国行かせてもらって、それぞれ反応も違いましたし、実際にファンの方から「頑張ってください」と言われるのは、励みになりましたね。恥ずかしい話、10年前だと、ある程度テレビの仕事とかやっていてそういう気持ちが薄れていた。それが10年たって全国ツアーやらせてもらったときに、こうやって支えられているんだとしみじみ感じました。原点に戻れたというか、劇場でライブやっていた感覚に戻れたというのは、お客さんのおかげだなと感謝しています。

山本:全国ツアーで披露したコントで僕の謝罪で始まるものがあったんですが、その謝罪のところですすり泣く声が聞こえて、そのときに舞台に上がれて感無量だなと感じました。お客さんに対して本当にありがたいなというのが一番でしたね。

――久々に2人で活動して、お互いの印象はどうでしたか?

加藤:2人とも、とにかくやるしかないという感じでしたね。山本さんに関しては、昔より真面目に稽古やるようになったなと。本人も気合入ってるんだなという感じは受けました。

山本:公演の中で、とちってはいけない部分がいくつかあって、その関門を越えなければというので必死だったんですよね。第1関門突破、第2関門突破という感じですかね。毎回毎回違ったと思うので、そういう意味では全部違った公演になったかなと思います。

――やりながら感覚を思い出す感じですか?

山本:そうですね。最終的にどの回が一番よかったのか、自分ではわからないです。あのネタはあれがよかったとか、そういう感じですかね。でも、一緒にステージに立って、加藤は大変だろうなと思いました。このあと東京にすぐ帰って明日『スッキリ!!』(日本テレビ系)かって。私は10月という季節柄もあって、そのまま札幌に残って日本シリーズを見たり…。カトちゃんもスタッフも全員帰る中、私だけ札幌に残っていいものやらと思いながらもしめしめと(笑)。カープは日本一になれなかったのでそれは残念でしたけど。

――それでも、山本さんの復活の年にカープは25年ぶりのリーグ優勝を決めました!

山本:そうですね! なんかご縁があるんですかね、カープとは。

――10年ぶりというブランクは感じましたか?

加藤:絶対あるなと思ってたんですけど、山本さん意外になかったですね。

――そうだったんですか! 10年ぶりだとさすがに感じられたのかと思っていました。

加藤:その理由はなんでかなと思ったんですけど、言葉を駆使して笑わせる人とかいろんな人がいますが、たぶん山本さんは"人間"なんだろうな、"人間"が笑わせているんだなと。だからそんなにブランク感じないのかなと思いました。キレのいい一言で笑わすタイプではなく、"油谷さん"(『めちゃイケ』で山本扮する人気キャラ)とかも人間じゃないですか! 体に油塗って適当に歌を歌うおっさんですから、言葉にしてしまうと(笑)。ブランクを感じず、「まだできる!」という感覚が全国ツアーで感じられたのはよかったです。

山本:10年間お笑いから離れていましたが、スーツ着て働いたとしても、もともとの性格とかは変わらない。だからすんなり入っていけたのかなと思います。7月の『めちゃイケ』の収録のあとから稽古が始まり、最初だけくすぐったい部分があったんですが、すんなりいけました。変化というと、昔はライブをやるとなったら深夜にダラダラ打ち合わせしていたんですが、今は加藤が毎朝番組があるので、昼間12時から17時まできっちりやるというような、短くても太い集中型に。それは新鮮でしたね。

――芸能界から離れている間に、加藤さんはMCとして活躍されていきましたが、それはどう思いましたか?

山本:もっといけ!と思いました。ただ、宮崎に8年くらいいたときは、チャンネルが少なくて、最初の6年くらい『スッキリ!!』やってなかったんです。

加藤:だから終わったと思っていたらしんですよ(笑)

山本:そうなんです(笑)

――加藤さんは数年前からコンビ復活への思いを口にされることがありましたが、現実的に考えたのはいつ頃ですか?

加藤:最初は山本を許せない部分もありました。でも、1人でやっていくうちに、やっぱり2人でやりたいなという気持ちが何年かして芽生えてきたんです。ただ、芽生えたときにはまだ言えず…。でも、時間がたって人伝いに山本の近況を聞いたりして、その思いが高まってきて、自然に言葉として出てしまったという感じです。それに対するいろんな反応がありましたが、俺はこういう気持ちだからって変わらないでこられましたね。そして、片岡飛鳥さん(『めちゃイケ』の生みの親と言われるプロデューサー)の力などがあって『めちゃイケ』にコンビで出させてもらい、きっかけを作っていただいて本当にありがたいと思いました。

――『めちゃイケ』での久しぶりの"ケンカ"、感動しました。

加藤:直前に「ケンカしろ」っていうカンペが出て、できるものなのか、どうなるかわからないという感じだったんですけど、あれを用意しておいてもらったというのはありがたかったです。

――加藤さんは『めちゃイケ』と並行して全国ツアーの話を進めていたんですよね?

加藤:そうなんです。ツアーは『めちゃイケ』の話が出る前から決まっていたんです。(山本が)1人で活動して1年たって、2人でライブやるというのは吉本もOKしてくれたので。「加藤とフリーの山本がライブやるのはええよ」って。そのあとに『めちゃイケ』の話をいただいて、番組の最後に「ライブやるか!」って山本に発表するという流れになったんです。

――復活に向けて動き回り、一緒に謝罪し…加藤さんのコンビ愛を感じました。

山本:本当にありがたい話ですよね。加藤はもちろん、飛鳥さんにしても、後輩の芸人さんもそうですし、ずっと待ってくれていたラジオのリスナーたちも、すべての方たちに感謝しています。少しでも恩返しできるように、僕はとにかく全力で、月並みですけどすべて全力で出し切るしかないなと。

加藤:「愛」と言われるといい風に解釈してもらってるなと思うんですけど、逆に僕のエゴでもあるんですよね。やるぞっていうのは。山本にしてみたらこっちに戻ってこない生活の方がもしかしたら幸せかもしれない。こっちに戻ってくる方がもっと大変な部分もあると思うし、わからないですよね。僕のエゴですよ。

■プロフィール
極楽とんぼ 加藤浩次と山本圭壱によるお笑いコンビ。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。1989年結成。フジテレビ系『とぶくすり』『めちゃ×2モテたいッ!』『めちゃ×2イケてるッ!』で活躍し、"ケンカ"コントなどで人気を得た。山本が2006年7月に不祥事を起こし、事務所から解雇され活動休止状態になったが、昨年7月放送の『めちゃ×2イケてるッ!』スペシャルで山本が地上波に復帰し、その後コンビで全国ツアーを実施。11月20日付で山本が所属事務所に復帰し、正式に再始動となった。
■AbemaTV 『極楽とんぼ「KAKERU TV」~24時間AbemaTV生JACK~』 番組概要
放送日時:3月4日(土)夜9時~3月5日(日)夜9時(生放送)
放送チャンネル:AbemaSPECIAL2
放送URL:https://abema.tv/channels/special-plus/slots/8aZ7fR1esi2cXH

撮影:宮川朋久