ピップはこのほど、呼吸器内科医で池袋大谷クリニックの院長・大谷義夫氏による講演会を実施。大谷氏は、春から初夏にかけて起こりやすいとされる花粉症などのアレルギー症状が原因のこりについて解説した。

季節性アレルギーによるこりについて講演を行った池袋大谷クリニックの大谷義夫院長

17年のスギ花粉量は16年の4倍以上?

現代は世界的に見ても、アレルギー疾患を持つ人が増加する傾向にある。今の季節に悩ましい花粉をはじめ、アトピー食物アレルギーなど、2人に1人が何らかのアレルギーを持っていると言われている。

大谷氏は「秋から冬にかけては粘膜が乾燥して咳などが起こりやすいですが、春から初夏にかけては季節性アレルギーによるくしゃみや咳、鼻水などの症状が見られるようになる」と話す。

「今年のスギ花粉は昨年比で4.3倍から4.4倍と言われており、多いところでは7倍にもなるそうです。花粉症は2月ごろから症状が出はじめ、3月~5月がピークとなる人が多い。ただ、紛らわしい病態としてぜんそくや血管運動性鼻炎、つまり寒暖差によるアレルギーなどでも花粉症に似た症状が出る場合がある。また、3月~5月に集中する黄砂やPM2.5などの飛散でも同様の症状が出ることがあります」

春先のほうがアレルギー症状が強いと思っている人は7割。肩、首、腰などの痛みを感じている人も多い

アレルギー症状に加え、倦怠感やこりを訴える人も

さまざまな原因によるアレルギーに悩む人の中には、咳やくしゃみなどのアレルギー症状以外にも「倦怠感」や「背中や腰などのこりや痛み」といった症状を訴えるケースも見受けられる。

「咳を止めるために体に力が入ってしまったり、呼吸がしにくいことで眠りが浅くなり、結果としてこりが起こってしまったりする。倦怠感などの全身症状は、おおよそ80%くらいの人が感じている」と大谷氏は話す。

ピップが行ったアレルギー症状についてのアンケート調査でも、約7割の人が春先に症状を強く感じていることがわかった。そして、咳やくしゃみなどによるこりやハリを感じる場所を尋ねたところ、肩、首、背中がトップ3に入っている。中にはあまりに痛みが強く、「骨が折れているかもしれない」「肺炎ではないだろうか」などと不安になって来院する人もいるという。