"ひとり芸"のナンバーワンを決める『R-1ぐらんぷり2017』で、見事15代目チャンピオンに輝いたアキラ100%。28日、決勝戦の生放送終了後に行われた記者会見で、今回の勝利の影に、同じ事務所に所属する昨年のチャンピオン・ハリウッドザコシショウの存在があったことを明かした。
アキラ100%は、全裸状態でどんな状況でも、お盆で局部を隠し切るというネタで圧倒的な優勝。もともと「タンバリン」というコンビでデビューしたが、5年ほどで解散し、2011年からピン芸人として活動をスタートすると、当初は音やフリップを使ったコントをやっていたという。
その中で、コンビ時代からやっていた、喫茶店の店員が真っ裸で出てくるというネタを、日本テレビ『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』の宴会芸を競う企画「山-1グランプリ」で披露したのが、"お盆芸"のきっかけ。
今回の『R-1』で見せた、局部を隠すアクションを次々に披露していく「絶対見えない de SHOW」は、事務所主催のライブでそのネタを見たザコシショウに「あれええな」と評価され、「ザコシショウからほめてもらえることはあまりないんで、このパターンはあるかもしれない」と手応えを感じて、量産に乗り出したそうだ。
ザコシショウとは1974年生まれの同い年だが、アキラ100%は「背中を押してくれた」と素直に感謝。結果として、"裸芸"が『R-1』を連覇することになったが、2人のつながりは"裸"だけではなかったのだ。
だが、この鉱脈を探り当てるまでは、苦難が続いていたそう。「もう本当にここ(首元)まで『辞める』って事務所に言いに行くぐらい行き詰まっていた状況で、ダメかなと思ってたら、このネタでテレビに出してもらえた」と、ギリギリのところだったそうで、その奇跡を「死ぬ場所を探してたら、たまたま生きる道がそこにあったみたいな気分ですね」と表現した。
今回の『R-1』では、1本目とファイナルの2本目で、いずれも「絶対見えない de SHOW」を披露した。2本目については、お盆で隠す刑事を演じるコント「丸腰刑事」といったネタも選択肢にあり、悩んでいたそうだが、決め手の1つは、1回目で最後のCブロックにいたため、ファイナルステージまであまり時間を置かずに同じネタで畳み掛けることができる点。もう1つは、Cブロックにマツモトクラブ、ルシファー吉岡、おいでやす小田とコント系のネタがそろっていたため、「コントじゃない方が目立てるかもしれないなと思って、同じようなネタを2本やりました」と戦略を明かした。
ちなみに、愛用のお盆は、100円ショップで購入したものだそうで、通販や東急ハンズなどを回ってベストのお盆を探したそうだが、「軽さと大きさを考えると、100円ショップのが一番いいんです」と力説。局部の前で回転させる技(=AROUND THE WORLD)を行う際、高価なお盆は重くて手首が持って行かれてしまうそうだ。そんなお気に入りの100円ショップのお盆だが、「なんと製造中止になってまして、今持っている15枚をどうにか使い回してやってる状況です」と、やりくり事情を報告した。
アキラ100%のこだわりは、お盆だけでなく、"裸芸"にもあるそうで、今後売れっ子になっても、服は「正直着たくないんです」と告白。控室などで服を着ていると、若手芸人にスタッフと間違えられて「トイレどこですか?」と聞かれてしまうほどだそうで、「いけるところまで裸で行きたいですね」と理想を語る。それだけに、体のメンテナンスに気をつけているのではと思いきや、「たまたま20代後半からずっとスポーツクラブでインストラクターのバイトをやってるんで、それがギリギリ中肉中背を奇跡で保てている」と、意外な背景をか明かした。
優勝のごほうびには、全国ネットの冠番組が与えられるが、「ジャスティン・ビーバーに会いに行くとか、むちゃなことをカタコトの英語で言ってみて、最終的には(ツイッターで)リツートされるところまでいけるんじゃないかっていうようなことができれば」と構想を披露。"お盆芸"は外国人のウケも抜群だそうで、「日本でダメなら海外に行こうくらいの気持ちでいたんで、このお盆を糧にワールドワイドにいければ」と、夢を膨らませていた。
この芸をマスターするのに「ある程度は特殊な技術を積んでいる」というアキラ100%だが、過去にはライブで"丸出し"のミスを犯してしまったこともあったそう。優勝したら「うれしすぎて泣くんじゃないかと思ってた」と言っていたが、最後まで笑顔で「良い子はまねしないでください」と締めて会見を終えた。
『R-1ぐらんぷり2017』決勝戦・結果
●Aブロック
・レイザーラモンRG:審査員0点+お茶の間0点=計0点
・横澤夏子:審査員1点+お茶の間2点=計3点
・三浦マイルド:審査員7点+お茶の間1点=計8点
◎サンシャイン池崎:審査員7点+お茶の間3点=計10点
●Bブロック
・ゆりやんレトリィバァ:審査員3点+お茶の間3点=計6点
◎石出奈々子:審査員8点+お茶の間2点=計10点
・ルシファー吉岡:審査員4点+お茶の間1点=計5点
・紺野ぶるま:審査員0点+お茶の間0点=計0点
●Cブロック
・ブルゾンちえみ:審査員2点+お茶の間3点=計5点
・マツモトクラブ:審査員0点+お茶の間0点=計0点
◎アキラ100%:審査員7点+お茶の間2点=計9点
・おいでやす小田:審査員6点+お茶の間1点=計7点
◎…ファイナルステージ進出者
●ファイナルステージ
・サンシャイン池崎:審査員3点+お茶の間2点=計5点
・石出奈々子:審査員1点+お茶の間1点=計2点
・アキラ100%:審査員11点+お茶の間3点=計14点