説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneは外部メモリで拡張できるの?』という質問に答えます。
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混乱を防ぐために、最初に整理させてください。ご質問の「外部メモリ」とは、Lightning端子に接続するタイプのメモリですね? iPhoneの場合、アプリや各種データの保存に使われる通常の記憶領域(ファイルシステム)は内蔵ストレージだけで構成されるものとAppleが定めているため、外部メモリではそれを拡張できません。外部メモリを接続したからアプリをたくさん保存できる、とはならないということです。
iPhone(iOS)の場合、外部メモリは特定のアプリだけが利用できる排他的な記憶領域という位置付けです。アプリが外部機器にアクセスする場合、所定の開発API(External Accessoryフレームワーク)を使いアプリ側で定めた通信規約に従いデータ転送が行われるため、外部メモリは専用アプリを使わないかぎり利用できません。つまり、『カメラ』や『写真』といった標準装備のアプリが直接外部メモリを読み書きすることはできません。
外部メモリは、専用アプリを使い内蔵ストレージとの間でファイルコピー(移動)する形で使うことになります。『カメラ』アプリで撮影した写真/ビデオを直接記録するような使いかたはできず、アプリの保存場所として使うこともできません。ただし、USB Type-A端子を装備した外部メモリであればパソコンとのデータ連係はかんたんですし、パスワード保護に対応した製品もありますから、便利に使えることは確かです。
内蔵ストレージを増やすことができるかどうかでいえば、iPhoneを分解して内蔵のフラッシュメモリを交換すれば不可能ではありません。海外には、そのような"改造"を請け負う業者が存在すると耳にしたこともあります。しかし、iOS 10の現在、不正に交換された内蔵ストレージはシステムに認識されないはずですから、結局のところ購入後に内蔵ストレージを増やすことはできない、という結論になるでしょう。