アドビシステムズは28日、バルセロナで開催されているモバイル関連の展示会「MWC 2017」にあわせ、「Adobe Digital Insights (以下ADI)」による最新の調査結果を公開した。
今回の調査結果は、2016年の世界のインターネットトラフィックに占めるスマートフォンの割合を示すもの。調査対象となったのは、米国、APAC(オーストラリア、中国、インド、日本、ニュージーランド、韓国)、欧州(フランス、ドイツ、ノルウェー、スウェーデン、イギリス)。
その中で、日本が最もトラフィックシェアが高く、全体の47%をスマートフォンが占めていた。次に高いのは、韓国の43%、3番目がインドの40%。2014年から2016年までの期間にスマートフォンの利用者とトラフィックが最も増加した国はインドで、この期間においてインドのスマートフォン利用者は2億6,900万人増加、スマートフォンによるトラフィック成長率は+290%に達している。
一方、タブレットによるトラフィックシェアは下落傾向にあり、2014年からトラフィックシェアやトラフィック成長率は減少の一途を辿っている。
これらの調査結果から、ADIのシニアマネージングアナリストであるベッキー タスカーは、「モバイル最適化」から始まり、「モバイルファースト」を経て、「モバイルオンリー」へと向かっていると発表。その理由として、スマートフォンがその他のデバイスからトラフィックシェアを奪い続けていることが背景にあるとしている。
しかしながら、過去2年間でアプリインストールは38%減少し、アプリ開発も28%減少していることから、アプリブームは終焉を迎えつつあるとも考察。数多くのモバイル利用者を抱える企業は、競合他社にトラフィックを奪われるリスクを回避するため、新規獲得と同様にリテンションのための戦略を考える必要があるとしている。