Mozillaは2月27日(米国時間)、米Pocketの買収を発表した。
PocketはWeb記事をブックマークし、スマートフォンやタブレット(iOS、Android)、パソコンなどで快適に記事を読めるように表示する。いわゆる”あとで読む”サービスである。月間アクティブユーザーは約1,000万人、ユーザーがこれまでに保存したコンテンツ数は30億を超える。2015年にMozillaとパートナーシップを結び、Firefox 38からデスクトップ版のFirefoxブラウザにPocketが統合されている。
2011年にEvernoteが当時Read It LaterというサービスだったPocketの買収に乗り出したが、Pocketはサービスの独立性を優先してEvernoteの申し出を受けなかった。しかし、Mozillaとは共通したビジョンと信念があり、合併がより多くのチャンスにつながると判断したという。Mozillaは、オープンで全ての人がアクセスできるパブリックリソースとして、インターネットの健全性を維持するというマニュフェストを掲げており、それに沿った「初めての戦略的買収」としている。
PocketはMozilla Corporationの完全子会社になるが、あとで読むサービスのPocketは引き続き独立したサービスとして提供される。PocketのCEOであるNate Weiner氏は「Mozillaはわれわれのロケットに燃料を追加する」と表現している。グローバル規模で浸透しているMozillaの大きなリソースによって、より多くの国・地域にPocketの提供を広げられ、プロダクトの開発や展開のスピードを加速できる。
PocketはMozillaのオープンソースプロジェクトの一部となり、またコアチームはMozillaのContext Graphイニシアチブを前進させる取り組みにも関わる。Context Graphは、検索やソーシャルネットワークにWebディスカバリが集中する状態を解消し、広くWeb全体から人々が有益な情報を簡単に見つけられるようにする。オープンなWebのリコメンドシステムの実現を目指している。