iOSに標準装備の音楽再生アプリ「ミュージック」は、つねに姿を変えてきた。ここ数年でいえば、CDから取り込んだ曲をiCloudにアップロードする「iTunes Match」がiOS 7.1のときサポートされ、iOS 8.4のときには聴き放題の音楽サービス「Apple Music」に対応したことが大きな変化だろうか。UI/デザインも見直され、操作性も大きく変化している。
しかし、全方位における進化というわけではない。目立たなくなった機能もあれば消えた機能もあり、使いにくくなったという評価を下すユーザもいることだろう。具体的には、楽曲レーティング機能がそれだ。
従来の「ミュージック」には、楽曲を星1つから5つまでの5段階でレーティングする機能が用意されていたが、iOS 10から姿を消した。レーティングそのものが廃止されたわけではなく、パソコンのiTunesでは引き続きレートを付けることができるし、以前につけたレートも情報として残っている。
iOS 10の「ミュージック」では、レートを付けることも確認することもできないが、ある方法を使えばレートを付けられる。Siriに命令すると、再生中の楽曲にレートを設定できるのだ。
使いかたはかんたん、対象の楽曲を再生中にホームボタンを長押ししてSiriを起動し、「この曲を星5つ」などと口頭で命令すればいい。iPhone/iPadの「ミュージック」アプリ上で確認することはできないが、同期を完了すればiTunesの曲情報画面で確認できる。iTunesでもレーティング機能が目立たなくなってしまい、今後も使えるかどうかは不明だが、とりあえずの対策としては有効なはずだ。