日本を代表する航空会社である日本航空(JAL)と全日空(ANA)。それぞれが独自のマイレージ制度を持っているのはご存知ですよね。どちらも魅力的ではありながらマイルを貯めるなら、どちらかに集約した方が断然おトクです。
でも、実際にどちらにしようかと迷っている人もいるかもしれません。今回はそんな迷っている人のために、旅行先やふだんのライフスタイルに応じて、どちらがおトクなのかを比較してみました。
陸でマイルが貯まりやすいのはどっち?
まずは、飛行機を乗る前にふだんの生活でのマイルの貯まりやすさを比較してみましょう。
JALでは、WAONでの決済時にポイントが貯まります。Pontaポイントと提携しており、ネット通販ではAmazonの利用でポイントが加算されます。また、ファミリーマートやイオンでもポイントを貯めることができます。
一方ANAでは、Suicaや楽天Edy、nanacoの使用でマイルが貯まります。ふだん電子マネーで決済をする人や電車に乗る人にとっては、カバー範囲が広くポイントも貯まりやすいと言えます。また、楽天スーパーポイントやTポイントと連携している点も注目です。セブンイレブンやイトーヨーカドー、スターバックスでもポイントが貯まります。
ポイントを貯められるお店やサービスが異なる両者ですが、やはり自分がふだんよく利用するお店が多く含まれている方が、日常生活でのマイルを貯めやすいといえます。
貯まったマイルを使いやすいのはどっち?
次にマイルを貯めた後のことを比較してみましょう。まずは、特典航空券への交換に必要なマイル数を見てみます。
JALの場合、ヨーロッパ往復エコノミークラスが5万5,000マイル、ハワイ往復が4万マイルです。一方のANAですが、こちらはローシーズン・レギュラーシーズン・ハイシーズンに分かれており、シーズンごとに必要マイル数も変動します。レギュラーシーズンにおいては、ヨーロッパ往復エコノミークラスが4万5,000マイル、ハワイ往復が4万マイルと、JALと同じになっています。マイルの有効期限はどちらも3年です。
違う点は、JALはボーナスマイルなどの付与に飛行機への搭乗が条件となっている点です。ANAは、ANAマイレージモールを経由すれば、ネットショッピングやサービスの利用でマイルが貯まります。更に"●倍マイルキャンペーン"などのキャンペーンをやっていれば飛行機に乗らずともネットショッピングでボーナスマイルが貯まるというチャンスがあります。
ある程度飛行機に乗る機会のある人はボーナスマイルなどが付与されるJAL、ネットショッピングでの使用がメインの人はANAが使いやすいといえそうです。
アライアンスで行きたい方面に強いのはどっち?
海外旅行好きの人にとっては、やはり自分が行きたいと思っている方面に強い航空会社を選びたいというのが結局のところ本音でしょうか。JALとANAでは、加盟しているアライアンスが異なります。
JALの場合は「ワンワールド」というアライアンスに加盟しています。こちらは世界152カ国に就航しており、15の航空会社が加盟しています。比較的料金が高めの国を代表するような航空会社が多いです。充実している路線はアメリカ方面で、世界最大の航空会社であるアメリカン航空もワンワールドの一員です。これにより、北アメリカのみならず、中央・南アメリカ路線も充実しています。
一方のANAが加盟しているのは「スターアライアンス」です。ユナイテッド航空やルフトハンザドイツ航空など、27の航空会社が加盟しています。就航国は世界194カ国、1,300以上の空港に就航しており、世界中どこに行ってもマイルが貯まるという規模の大きさが特徴です。また、ドイツ語圏各国や中東欧に加盟会社を持っており、ヨーロッパ方面の路線が充実しています。
仕事での出張やお気に入りの旅行先など、いちばん渡航頻度の高い方面に強いアライアンスを選ぶことです。ただ、あまり飛行機に乗る機会がない、この先旅行に行く方面が決まっていないといった人は、やはり規模が大きくカバー範囲も広いスターアライアンスを選ぶのが無難といえます。
JALマイルかANAマイルかマイルを貯めるならどっちがいいかは、自分のライフスタイルにより異なります。まずは自分がどこへ行きたいのか、自分がよく利用する航空会社はどこなのかをよく考えてみましょう。そして、飛行機にあまり乗らないけれどマイルを貯めたいという人は、自分がよく利用するお店などを考慮してみるといいでしょう。
株式会社回遊舎
"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。