直観的な操作性は、iPhoneの強みのひとつだ。図柄として見えるものに指先で触れれば、その図柄に応じた機能を発揮してくれる。持ち上げると画面が点灯したり通話中画面がうす暗くなったりなど、センサーを活用した機能も多い。日本のスマートフォン市場における高いシェアは、その操作性が高い評価を得ているからこそだ。
しかし、iPhoneを振るとその場面に応じた機能を発揮する「シェイク」は少し微妙だ。文字入力を取り消したいとき、ゴミ箱に入れてしまったメモを元に戻したいとき、iPhoneを振れば操作を取り消せるという機能だが、やや強めに振らないことには動作しない。勢いよく振ったところiPhoneが手から飛び落ちキズが付いてしまった、という経験を持つユーザはなくないはずだ。
Appleも「シェイク」を積極的に活用するつもりはないようで、iOS 8.4のとき『ミュージック』アプリから「シェイクでシャッフル」スイッチを取り除いている。この仕様変更は、走ったときや階段を駆け下りたときなど、体を大きく動かすと意図せず曲再生がシャッフルされてしまう問題を回避するためだろう。iOS 10のメールアプリでは、シャッフルによりゴミ箱へ入れたメッセージを元に戻せなくなったことからしても、その傾向があることは確か。将来、iOSからシェイク自体が消える可能性すら否定できないだろう。
シェイクはあまり利用していない、なくても困らない、という場合には無効化するという手がある。そうすれば、自然と使わなくなるだろうから、手から抜け落ちてiPhoneの画面を割ってしまう、などのトラブルを未然に回避できるはずだ。