物理転送能力は「UHS-II」比で2倍の新規格「UHS-III」、製品は来年以降?
CP+には毎年、ストレージ系、特にSD/SDHC/SDXCメモリーカードのメーカーが多く出展するが、CP+2017の大きなトピックはSDアソシエーションから発表された新規格「UHS-III」だ。
UHS-IIIの転送能力は、UHS-IIの312MB/秒から624MB/秒と2倍に引き上げられ、より一層の高速転送メディアを実現できる規格となる。ただ、UHS-II発表(2011年)から対応製品が出るまでにかなりの時間を要していたことを考えると、UHS-III対応の具体的な製品が登場するのは、来年(2018年)以降になるだろうという説明だった。現実的に、SDカードとリーダー/ライター、デジタルカメラのSDスロットなど、UHS-IIですら普及が進んでいるとはいいがたい。
新しい「UHS-III」規格。UHS-IIと同じく2列の端子を使用し、転送クロックを上げることで速度を2倍にした |
3種類のスピードクラスのうち、最後発のビデオスピードクラスを中心に説明。ちなみにすべて動画撮影のための規格だ |
SDアソシエーションの加盟企業としては、ソニー、レキサー、東芝が展示を行っていた。特に東芝は、Transfer Jet、Mamolica(SDカードスロットから抜くと自動ロックがかかる機能だが、法人向け提供のみ)、FlashAirといった派生製品の展示が目立っていた。
幅広いソリューション展示、サンディスク / G-Technology
サンディスク/G-Technologyブースは、撮影からアーカイブまでを一貫したワークフローととらえ、そうした流れの中におけるストレージ製品の位置付けや活用シーンなどを紹介していた。
現在はウエスタンデジタルの傘下となったサンディスクだが、G-Technologyも同様にウエスタンデジタルのグループである。「WDブース」と呼ぶのが適切なのかもしれないが、CP+2017では「HDDブランドとしてのWD」は出番なし。
CP+では、メモリーカードメーカーとしてサンディスクの知名度は高いのだが、撮影のワークフロー全体を通した提案ができない点が悩みだったそうだ。今回は、撮影からバックアップ、写真の配布には、サンディスクのメモリーカードやSSD製品を、編集やアーカイブにはG-Technologyの製品を紹介していた。
従来のサンディスクブースなら左側だけの展示で、内蔵および外付けSSDをリリースするまではメモリーカードだけだった。今年は、編集・アーカイブを含めた展示ができるようになった |
サンディスクの新製品は、1TBの外付けSSD「サンディスク エクストリーム500 ポータブルSSD」。USB3接続で高速かつ小型だ |
製品の紹介や有名カメラマンによるミニセミナーは、スペースが広くなった。座席がないセミナースペースにも関わらず、多くの人が真剣に見ていた。