TVアニメ『美男高校地球防衛部LOVE! LOVE!』より生まれたアイドルユニットVEPPerによる初のライブ「VEPPer 1st LIVE『Dancing in the universe』」が19日、東京・赤坂BLITZにて行われた。

別府月彦役の河本啓佑、別府日彦役の村上喜紀が出演し、昼夜合わせてのべ2,400人を大いに盛り上げた今回のイベント。本稿では昼公演の模様をレポートする。

VEPPer、別府日彦役の村上喜紀と別府月彦役の河本啓佑

銀河を統べる双子のギャラクシーアイドル、VEPPerのファーストライブだけあって、会場は、グッズのタオルと腕章を装備した気合十分の別府Apes(エイプス:VEPPerのファン)で埋め尽くされていた。暗転し、夜空にきらめく星をイメージさせる光がステージを飛び交い、レーザー光線が幕に2人の人影を映し出す。そんなド派手な演出の中で幕が下ろされ、VEPPerの2人が登場。

まずは「☆Star☆The☆VEPPer☆」を変身前の制服衣装で歌う。続いてアニメのEDテーマとなっていた「あなたは遥か一等星」を披露。"どんなに離れていても会いに行く"、というあこがれの人への思いを歌ったこの曲では、距離の遠さを表す「何光年」、「何億年」という歌詞に合わせて指折り数えるダンスをし、切ない感情を表現していた。

曲が明けると、村上は弟の日彦として「盛り上がってるかApesどもー!」と荒々しく会場をあおる。そこへ河本が兄の月彦として「こらこらハル、みんなせっかく来てくれたのに、口が悪いよ」とたしなめ、VEPPerらしいやりとりを見せてくれる。河本が青く光る客席のサイリウムの海に「ホントにきれいだ……」とため息を漏らしながらも「でも、みんなのほうがキレイだよ」と甘くささやくと、Apesが黄色い声を上げ、村上からは日彦らしい「調子に乗んじゃねーぞApesども!」というドSな一喝が。さらに悲鳴のような嬌声(きょうせい)がApesから上がった。

2人が「VEPPer 1st LIVE『Dancing in the universe』開幕!」と力強く宣言したところで暗転。2人はステージを去り、代わりに今日のライブに向けたVEPPerの意気込みがナレーションとして流れてきた。

2016年11月に開催された「美男高校地球防衛部LOVE! LOVE! LIVE!」に出演した時はまだ「ビジネスとしてのアイドル」だった2人。しかし、アニメ最終回の放送で箱根強羅の優しさに触れた2人は生まれ変わり、「うそ偽りのないアイドル」として今日のステージに臨んでいるというのだ。

ここから初披露となるソロ曲のパートへ。まずは河本が登場。細身のパンツにスカーフが印象的な衣装に着替え、「Moon the Jealousy」を歌い上げる。間奏では「君たちはずっとぼくのそばにいると誓えるよね?」とセクシーに客席に問いかけた。 続いて黄色いシャツのカジュアルな衣装で登場した村上は「Sun the Festival」を披露。ステージ上を縦横無尽に飛び跳ね、時に「赤坂―!」と声を張り上げ、コールアンドレスポンスをあおる。Apesのコールを「上出来だ」と褒め、間奏で「お前らは未来永劫、俺にひれ伏せ」と言うその姿は、無敵のエンターテイナー・別府日彦そのものであった。

「星にやさしく…Breeze」では、中央の一段高いステージに背中合わせに座って歌う2人。村上は、河本の肩に頭を預けて歌う。また、歌詞に出てくる「猫」に合わせて、村上が猫のまねをして河本の足元に寄り添うかわいらしい姿も見られた。

再び2人は退場し、今度は変身後の衣装に着替え再登場。「純情革命D.F.G」が披露され、会場のボルテージは一気にヒートアップする。

ここで、衣装を見せるために2人がターンをしていると、Apesから「うしろ! うしろ!」と指摘が。村上の衣装の後ろ側の一部が取れていたのだ。実は本番3日前に実施したニコニコ生放送で「もしも村上の衣装の後ろ側がなかったらどう対処する?」というお題に答えていた2人。偶然にも似たトラブルが発生し、河本は「こんなこともあろうかと、いろんな準備をしておいてよかったね」と堂々と笑った。衣装直しから戻ってきた村上も「どんなトラブルにも対応してこそのギャラクシーアイドルだ!」と力強く言い切った。

その後、「この星で一番輝いているのは?!」と客席に問いかけるセリフを2人で言おうとして、互いにかんでしまい、たしなめあうコントのような場面も。小声で打ち合わせをし、態勢を整える2人の姿には仲の良さが感じられた。

続いての「WE ARE GALAXY IDOL」は"アイ アイ ドル ドルVEPPer"という歌詞でApesとの見事なコールアンドレスポンスが決まり、会場は一つに。そして再び「☆Star☆The☆VEPPer☆」が歌われ、大盛り上がりのうちに本編が終了した。

興奮さめやらぬApesの「VEPPer!」コールが沸き起こり、白いジャケットに身をつつんだ2人が再び登場。アンコールとして「星降る海のSTAGEで」が披露され、タイトル通り星型の落下物がひらひらと舞うロマンチックな演出がなされた。

アンコールのMCでは、本編と異なり河本啓佑として、村上喜紀としての飾らない言葉が語られた。河本は「みなさんの喜んでくださる声を聞くと、ここまで頑張ってきて本当によかった」と涙ぐみ、村上は「みんなの喜ぶ顔が見たかったんだもん!! すき!!」と絶叫。

また、河本は村上と初めて出会った時のことを語り始める。2人が初めて顔を合わせたのは衣装の採寸の時だったそう。河本は「一緒にいて自然体でいられる喜紀と出会えてよかったよ」と伝えると、村上も「初レギュラー作品ということで気負っていたけど、コウさんとじゃなかったらやっていけなかった」と河本からの熱い想いに答える。

気持ちが高ぶりすぎたのか、河本に向かって村上は「すき!!」と絶叫し、それに対し河本が投げキスを返す。すると、照れた村上が河本の頭をはたこうとするほほ笑ましい場面も見られた。さらに、河本は衣装や楽曲に対して「こんなにすてきなものにしていただいて……」と感謝を述べようとするが、涙で言葉が続かない。そんな時に村上は河本の肩を抱き、頭にタオルをかぶせ、舞台袖に連れていこうとした。そんなところからも、VEPPerとして培った2人の絆がうかがえた。

その後再び「あなたは遥か一等星」が披露されたが、曲中でも村上が河本のそばに寄っていき、肩をたたいて励まし、声をそろえて歌う。2人が過ごした時間の濃さを感じた一曲だった。

歌い終えた2人が退場しても、鳴りやまない客席からの手拍子に、再びステージに照明がともり、まさかのダブルアンコールへ。グッズのTシャツで登場した2人は、会場のApesと記念撮影。最後は再び「WE ARE GALAXY IDOL」を熱唱。2人はステージ上でアイコンタクトを取りつつ、息を合わせてApesにコールアンドレスポンスを求めた。

のべ11曲を歌い、全力を出し切ったVEPPer。感無量といった表情で、2人は熱い抱擁をかわす。そのまま固く結んだ手を離さず、「VEPPer 1st LIVE Dancing in the universe、これにて閉幕!」と客席に向かって一礼をした。河本と村上が退場した後も、Apesの拍手はやまず、会場からは「ありがとう」と口々に聞こえてきた。Apesの強い忠誠心とVEPPerの絆が感じられた、濃密な時間だった。

VEPPer 1st LIVE「Dancing in the universe」セットリスト

M-01 ☆Star☆The☆VEPPer☆
M-02 あなたは遥か一等星
M-03 Moon the Jealousy
M-04 Sun the Festival
M-05 星にやさしく…Breeze
M-06 純情革命D.F.G
M-07 WE ARE GALAXY IDOL
M-08 ☆Star☆The☆VEPPer☆
【ENCORE】
M-09 星降る海のSTAGEで
M-10 あなたは遥か一等星
M-11 WE ARE GALAXY IDOL