俳優の山田孝之が、テレビ東京系ドラマ特別企画『破獄』(2017年放送)に出演することが20日、わかった
同作は、吉村昭原作の同名小説をドラマ化。関東大震災で妻と子供を失い、脱獄阻止に命を燃やす人情派看守・浦田進(ビートたけし)と、彼の前に現れる天才的脱獄犯・佐久間清太郎の闘いを描く。脚本を池端俊策、監督を深川栄洋が務め、今回30年ぶりにドラマ化される。
山田は頭を丸刈りにし、天才的脱獄犯の佐久間を演じる。殺人の罪で無期懲役囚となり、過去に唯一優しく接してくれた浦田を慕っているが、人間離れした身のこなしと腕力で脱獄を繰り返す。
台本を読んだ時に「これは心身共にボロボロになるだろうなと思いました」という山田だが、「不思議なもので挑戦したくなるんですよね」と語る。演じる佐久間は「素直な人」と分析し、「その素直さからくる行動や言動が人からは理解されず、恐怖にすら感じてしまう。そう思ったので僕も素直な気持ちで佐久間として生きました」と撮影を振り返った。
ビートたけしとは初共演となるが「今までご縁が無くお会いするのは今回が初めてでした」という山田は、改めて「北野武さんとしてもお会いできる日を楽しみにしています」とメッセージ。そして、視聴者に向けて「佐久間という素直な人間を見たとき、見てくださった方々が自分に問いかける質問とはなんでしょうか。そしてその質問の答えを探したとき、あなたは今まで通り歩むことを選択するのでしょうか」と語りかけた。
同局 ドラマ制作部 田淵俊彦プロデューサーは、脚本の池端とともに受刑者の雰囲気を掴むため網走刑務所を訪れ、その帰路で佐久間役について話し合ったという。田淵プロデューサーは「全てを超越した存在のビートたけしさんに敵対するのだからかなりの力量と力強さが必要」と考え、「即座に二人が名を挙げたのが山田孝之さんで一致だった」と明かした。
田淵プロデューサーは「山田さんは”芯の強さ”を表現させると天下一品だ。同時に”強さの中にある弱さ”を演じても秀逸」と山田を称賛。「髪の毛を丸刈りにし、凄まじいまでの肉体改造をして撮影に臨んでくれた」と語り、「”誰にも真似のできない力強さ”そしてその裏側にある”いとおしいまでの弱さ”を確かめてほしい」とアピールした。