PCやモバイル向けの周辺機器を販売する米ベルキンは2月16日、同社製のiPhone向け保護シール「Screen Force InvisiGlass Screen Protector」または「Screen Force InvisiGlass Ultra Screen Protector」を、無料で正確に貼り付けるサービス「TrueClear Pro Advanced Screen Care」を開始した。
当面はドコモショップの20店舗で実施されるが、4月末までに全国40店舗に拡大する見込み。導入ショップは以下の通り。
ドコモショップ 自由が丘店、大井町店、Luz大森店、鷺沼店、海老名西口店、ららぽーと富士見店、セブンパークアリオ柏店、ららぽーと柏の葉店、中野駅前店、ステラタウン店、武蔵浦和店、千葉ニュータウン店、横浜金沢店、アピタ金沢文庫店、ココリア多摩センター店、川越店、柏駅西口店、甲府石和店、あすと長町店、アピタ新潟西店(2月21日~)、厚別西店(2月23日~)、金山店(2月下旬~3月上旬)。
画面保護シールの大敵、ホコリを完全シャットアウト
スマートフォンやタブレットのユーザーには、落として画面を割ってしまったことがあるという人は、かなりの割合に達するはずだ。こうした落下などから画面を保護するためのスクリーン保護フィルムも人気商品だが、画面の大型化に伴い、貼り付け難易度は大幅に高まっている。
早い話がうまく貼れずにズレたり、気泡やホコリが挟まって見栄え(最悪の場合は操作性まで)が悪くなったりしてしまう。モバイルショップによっては、いわゆるシール貼り職人といわれる、保護フィルムをきれいに貼り付けるのがうまいスタッフを抱えていることもあるが、個人差もあれば失敗もありうる。
こうした問題を解決し、誰でも簡単・確実に、ホコリなどを挟むことなくきれいにフィルムを貼れるソリューションが、ベルキンの「TrueClear Pro Advanced Screen Care」(以下、TCP)だ。ベルキンの保護フィルムに限るものの、フィルムの位置を正確に、気泡なども発生させずに、一般の店員が貼り付けられる専用の端末を開発。これを使うことで、従来5~10分かかっていた貼り付け作業が1~2分に短縮できるとともに、仕上がりも完璧に行えるという。
この端末はエンドユーザー向けではなく、あくまでベルキンの保護フィルムを販売するショップ向けに貸与されるもの。一般ユーザーが触れることはまずないのだが、どのように利用するか、実際に貼り付ける手順をデモンストレーションで拝見した。
対応機種は、iPhone SE / 6s Plus / 6s / 6 Plus / 6 / 5s / 5、およびiPhone 7とiPhone 7 Plusだ。
まず、端末に付属するスクリーンクリーナーとクリーナー液、すでにフィルムが貼ってある場合はそれをきれいに剥がすためのヘラを使って、保護フィルムを貼るiPhoneの画面をきれいにしておく。
続いて保護フィルムのパッケージを開けると、中にホコリ取り用のフィルムが入っているので、これをiPhoneの画面に貼って剥がし、大きなホコリ類をあらかた取ってしまう。
ホコリが取れたら、iPhoneの機種ごとに用意されているクレードルにiPhoneを入れ、TCPの端末にセット。保護フィルムの穴を端末側にあるフックに引っ掛けてセットし、端末のフタを閉じる。
端末のハンドルを引っ張ると、フィルムがiPhoneの画面にピタリと貼り付けられる。あとは必要に応じて、フィルムの上から気泡を抑えて追い出してやれば完成だ。
TCP端末を使うメリットは、まずホコリがほぼ100%噛まないこと。セットする前に大半のホコリを取り除くが、それでも小さなホコリは残ってしまうもの。しかし、フィルムの保護シールにもフェルト状の清掃部が付いており、これがフィルムを貼り付けする直前に画面を拭き清めることで、小さなホコリもシャットアウトしてくれる。
また、TCP端末やフィルムそのものの製造精度が非常に高く、誤差は0.15mm程度とのこと。これにより、インカメラやスピーカー部分の穴に合わせてフィルムを細かくカットできる。通常であれば、カメラ部などは大きく凹の字のようにカットされていることが多いため、見栄えの上でも効果は大きい。筆者は普段保護フィルムを貼らずに使っているのだが、これだけきれいに貼ってくれるのであれば、ぜひTCPを扱っているショップに行ってみたいと思わせられた。
ベルキンは昨年(2016年)10月ごろから、試験的にドコモ系のショップを中心にTCPを導入してきた。すると、仕上がりのよさに感動して、他社契約のiPhoneを使っている家族や友人にもドコモショップでベルキンのフィルムをすすめる顧客が多かったという。保護フィルムはかなりの割合のユーザーが利用するものだけに、仕上がりのきれいさはショップにとっても重要な差別化ポイントになりそうだ。
アップルとの関係も深い老舗の機器メーカー
ベルキン社は1983年、当時17歳だった創立者兼CEOのチェット・ピプキン氏がApple IIc用のプリンタケーブルを自作・販売したことから始まった、独立系の周辺機器メーカーだ。創立以来、アップル製品向けのケーブルや周辺・ネットワーク機器類を中心に販売している。特に2003年以降は、アップルと協力して製品開発を行っており、DockコネクタやLightningコネクタを採用した製品をいち早くリリースしている。
古くからのMacユーザーにとっては、仏LaCieや米Newer Techといったメーカーと並んで、お馴染みのブランドでもある。現在はBelkinに加え、ネットワーク機器のLinksys、ホームオートメーションのWeMoといったブランドが傘下にある。
日本支社となるベルキンジャパンは2006年に設立されたものの、これまで目立った広報活動をしてきたことはなく、実は今回が初めてのメディア向けイベントとなった。日本のユーザーの間ではまだまだ知名度の低い同社だが、マーケティングからデザイン、製造・出荷までをすべてインハウスで手がけられる実力は本物だ。TCPをきっかけに多くのユーザーがベルキン製品を知るきっかけになればと思う。