女優の市川実日子が15日、神奈川・ミューザ川崎シンフォニーホールで行われた第71回毎日映画コンクール表彰式に登場した。
市川は、大ヒット映画『シン・ゴジラ』尾頭ヒロミ役で女優助演賞を受賞。「総監督の庵野(秀明)さん、樋口(真嗣)監督、ゴジラさん」と順番に感謝を述べると、会場からは笑いが起こった。
ふだんの話し方は「すごいゆっくりなんです」という市川だが、今回の作品では流れるように専門用語を述べる理系女子役に挑戦。監督からは「テキパキ話してください、あと早口でということを言われましたね」と撮影を振り返り、「九官鳥のように、道を歩きながら、家にいる時も繰り返していました」と苦労を語った。
また、作品がこれだけの支持を受けた理由については「ゴジラが美しかったこと」と分析。さらに「現実対虚構ということですけど、今の日本、東京で住む方々が日常レベルで感じているようなことが描かれていたんじゃないかなあと、私は思っています」と、持論を展開した。
また、同作は日本映画大賞、美術賞も受賞し、合わせて三冠となり、ゴジラがお祝いに駆けつけた。会場に現れた樋口監督は、60年前にゴジラというキャラクターを作った先達の志を受け継ぐため「本気で考えて、本気で作って、本気でみんなでやってみました」と作品への思いを語る。
樋口監督は改めて、『シン・ゴジラ』は「ドラマのない中で、出てる人たちのキャラクターで紡いでいく」物語で、市川にも助けられたと感謝した。そして、もともとはTBSのアナウンサーになりたかったことを明かし、「ならなくてよかった」と苦笑していた。
■受賞一覧
<作品部門>
日本映画大賞:『シン・ゴジラ』
日本映画優秀賞:『この世界の片隅に』
外国映画ベストワン賞:『ハドソン川の奇跡』
<監督賞・脚本賞>
監督賞:西川美和『永い言い訳』
脚本賞:向井康介『聖の青春』
<俳優部門>
男優主演賞:本木雅弘『永い言い訳』
女優主演賞:筒井真理子『淵に立つ』
男優助演賞:香川照之『クリーピー 偽りの隣人』
女優助演賞:市川実日子『シン・ゴジラ』
スポニチグランプリ新人賞:毎熊克哉『ケンとカズ』
スポニチグランプリ新人賞:中条あやみ『セトウツミ』
田中絹代賞:松原智恵子
<スタッフ部門>
撮影賞:斉藤幸一『64 ロクヨン』
美術賞:林田裕至・佐久嶋依里『シン・ゴジラ』
音楽賞:コトリンゴ『この世界の片隅に』
録音賞:白取貢『聖の青春』
<ドキュメンタリー部門>
ドキュメンタリー映画賞:『桜の樹の下』
<アニメーション部門>
アニメーション映画賞:『君の名は。』
大藤信郎賞:『この世界の片隅に』
<TSUTAYA映画ファン賞>
TSUTAYA映画ファン賞(日本映画部門):『君の名は。』
TSUTAYA映画ファン賞(外国映画部門):『ズートピア』
<特別賞>
特別賞:島村達雄(白組社長)