--アプリケーション開発を高速化するものとしてコンテナ技術の利用が始まっている。コンテナとDevOpsの関係は?

Rowett氏:コンテナとDevOpsの間には強い相関関係がある。アプリケーション構築を高速化するためには、CAが備えるアジャイル、継続的デリバリーなどの要素が必要だが、同時にアプリケーションのアーキテクチャも見直す必要がある。これまでのアプリケーションは大規模でモノリシックという特徴を持ち、変更や修正が難しかった。コンテナとマイクロサービスは最小のビジネス機能の隔離が可能になり、変更を迅速に進めることができる。この点から見ると、コンテナ、マイクロサービス、そしてAPIはトランスフォーメーションの一部といえる。これらの技術を利用して、アジリティを改善できる。CAはAPI管理技術も持っており、併用できる。

継続的デリバリー

--Slackなどを利用して、チャットでDevOpsを支援するChatOpsなどの新しい技術が出てきている。この分野のトレンドは?

Rowett氏:ChatOpsをはじめ、新しい技術は次々に出てきており、我々ソフトウェア企業が相互運用性を維持することがますます重要になる。現在のエコシステム、数カ月後のエコシステムでちゃんと利用できるようにしておくことで、顧客のデジタルトランスフォーメーションをサポートできる。

トレンドとして、拡張性も注目されている。ほとんどの場合、DevOpsやアジャイル開発は社内の部門やチームなど、小規模でスタートする。課題は、これをどのようにして全社レベルに拡張するかだ。数人のチームから全社レベルで可視化し、管理する--ここではエンタープライズレベルのツールが必要で、CAが得意とするところだ。

--AIはDevOpsのサイクルをさらに高速化できるのか? AIの取り組みは?

Rowett氏:近い将来にそうなっていくと見ている。CAはさまざまな新しい技術の動向を見ているが、AIはその一つだ。データの分析も重要な技術で、最適化を図ることができる。

例えば、CAではモバイルアプリの性能のリアルタイム分析機能を提供している。アプリを開発して実装し、ユーザー体験をリアルタイムにモニタリングし、どこが良くないのか、機能していないのかを調べてアプリを改善できる。このサイクルを短縮化することで、ユーザー体験を改善できる。

--先にCiscoがAppDynamics買収を発表し、2016年にはGoogleがAPI管理のApigeeを買収した。競合が変わってきているが、競合をどう見ているのか? また、CAの競合優位性はどこにあるのか?

Rowett氏:GoogleやCiscoの動きは、CAの戦略や方向性が正しいことを実証するものであり、我々は歓迎している。市場全体にとって良いことだ。

CAの強みはエンドツーエンドの製品ポートフォリオだ。アジャイルプランニング、ソフトウェアビルドのモデリング、サービスの可視化、モバイルのテスト自動化、リリース自動化、アプリケーションの性能管理、とAPI管理や継続的デリバリーを実現する広範な技術を持つ。モバイルからメインフレームまでを網羅し、セキュリティ技術も備える。Ciscoらはこの分野の重要性に気がついて買収を行なっているが、我々は以前からDevOps分野の技術を揃えており、技術の深さや知見は我々が勝る。

顧客は部分的ではなく、デジタルトランスフォーメーションを包括的にサポートする技術を求めている。CAはこれを提供できる。

CAのDevOpsソリューション。計画開発、テスト、リリース、運用のサイクルを高速に回してソフトウェアを改善できる