朝に自宅を出て電車で出社、コーヒーを飲みながらデスクワークに精を出し、仕事後にスーパーで買い物をして帰宅……。ビジネスパーソンにありがちな日常シーンと言えるが、こういった何気ない生活パターンの中で、私たちがおびただしい数の細菌に接触している可能性があるとしたらどうだろうか。
ニューヨークで発刊されている雑誌「Science of Us」はこのほど、「私たちが毎日触っている『嫌な物』」と題し、日常の細菌汚染箇所を紹介。「コンピューターのキーボードが細菌の温床になっている」という話を一度は耳にしたことがある人もいるかもしれないが今回、キーボードは含まれていなかった。以下に同誌が紹介している「日常の5大汚染スポット」をまとめた。
セルフレジの画面
スーパーマーケットやATMなど、日常生活でタッチスクリーンを使う機会が近年になって増えている。無数の人が画面に触ると当然、画面には不特定多数の人の指の汚れや指紋が付着する。一日の終わりに画面は拭かれてきれいになるのだろうが、必ずしも除菌されているとは限らない。Science of Usは「セルフレジのスクリーンの50%はふん便で汚染されている」としている。
エレベーターの1階停止ボタン
高層の建物から外へ出る際、ほとんどの場合は1階に行かなければならない。そのため、エレベーターを使う人の多くはこのボタンを押している。Science of Usによると、このボタンは、風邪のような症状を引き起こすウイルスのたまり場となっているという。
リサイクルバッグ
日本でもリサイクルバッグの利用が推奨されているが、多くの場合で「主要な保菌物」になっている可能性が指摘されている。スーパーマーケットから生鮮食品を入れて運ぶにも関わらず、利用者はめったにこのリサイクルバッグをきれいにしようとはしないためだ。
ハンドタオル
多くの人は手洗いが不十分なため、ハンドタオルで手を拭いた際に手に残っていたバクテリアがタオルに付着してしまう。湿気の多い場所でバクテリアは繁殖しやすいため、結果的にハンドタオルはバクテリアに抜群の繁殖環境を提供していることになる。Science of Usは2日に1回のハンドタオル洗濯を推奨している。もちろん、毎日違うハンドタオルを使うのもOKだ。
コーヒーポット
朝にオフィスに来ると、真っ先にコーヒーポットからコーヒーを入れるオフィスワーカーも少なくないだろう。それはすなわち、通勤に使用した電車などの公共交通機関の手すりを触った手で、コーヒーポットのハンドルを触ることを意味している。例えば電車のつり革は不特定多数の人が触るため、感染症の原因にもなりやすい。Science of Usによると、コーヒーポットのハンドルの50%は大腸菌に汚染されているという。
本当に私たちがいつも接している物ばかりが対象となっているので、気になる人は今日から対策を講じてみてはいかがだろうか。
※写真と本文は関係ありません
記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)
米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。