JR東日本大宮支社は9日、東北新幹線のレールをほぼすべて交換するための「新幹線レール交換システム」を導入すると発表した。レール交換のおもな作業である運搬・積卸し・交換・溶接がひとつのシステムでできる保守用車となる。

「新幹線レール交換システム」イメージ

「新幹線レール交換システム」では、モータカー、レール運搬車、レール積卸し車、フラッシュバット溶接車などからなる12両編成の保守用車を使用する。プラッサー&トイラー社(オーストリア)とローベル社(ドイツ)の機械を組み合わせたもので、モータカー、レール運搬車編成、フラッシュバット溶接車をいずれの運転台からも操作できる協調制御は世界初だという。

このシステムの導入により、レール交換の各行程が大幅に効率化される。レール運搬・積卸しの行程については、これまで一度に750m分のレール(75mレール10本)しか運べなかったが、今後は一度に3,000m分のレール(150mレール20本)を運べるようになる。

レール同士の溶接作業も、これまで1カ所に約40分を要していたが、今後は約6分に短縮。従来は交換するレールの長さに応じて作業員を配置していたが、今後はレールの長さにかかわらず「新幹線レール交換システム」で交換できるため、人員を大幅に削減できるという。

東北新幹線開業から35年が経過し、開業時に敷設したレールが交換時期を迎えることから、大宮支社は2024年度までに東北新幹線大宮~新白河間約140kmのレールをほぼすべて交換する予定。新システムを活用して今月から交換作業に着手し、大宮側から新白河側へ順次工事を進める。