経済同友会は2月7日、ダイバーシティと働き方に関するアンケート調査の結果を発表した。調査時期は2016年10月~11月、調査対象は同友会会員 所属企業代表者で、有効回答は131社。

女性の登用・活用状況は停滞

女性の登用・活用状況をみると、管理職(課長級以上)が7.1%(前年7.5%)、意思決定ボード(部長級以上)が4.0%(同4.1%)と、停滞していることが判明。一方、取締役は5.5%(同4.4%)、社外取締役は18.3%(同14.0%)など、経営トップ層への登用に関してはわずかながら進んでいることがわかった。

女性の登用・活用状況(出典:経済同友会Webサイト)

女性の登用・活用を促進するにあたり障害となっている課題を、影響が大きいと思う順に3つ以内で挙げてもらったところ、最も多かったのは「女性の採用数が少数である(あった)ため、管理職の候補者が乏しい」で55.0%(同47.8%)。以下、「女性自身のキャリアに対する自覚・責任感が未醸成」が38.0%(同32.3%)、「女性のロールモデルが少ない」が36.4%(同47.8%)、「男性の中間管理職に女性登用・活用の認識が薄い」が30.2%(同23.1%)と続いた。

自由回答では「IT業界の技術に強い女性、エンジニアが少ない。そもそも、大学や大学院における理系女性の人数が少ない」「グローバルのネットワークで業務を行っているため、海外との電話会議で深夜になったり、海外出張がある。そのため、育児や介護の支援インフラがないと難しい。また規制業種のため、機密情報管理の点からもオフィス以外での自由な働き方がしづらい」「現在、女性管理職のロールモデルが限られていることから、昇進を志す女性社員に不安が生じている可能性がある」といった意見が集まった。

女性の登用・活用を促進するにあたり障害となっている課題(影響が大きいと思われる順に3つ以内/出典:経済同友会Webサイト)

女性の登用・活用に向けた効果的な施策(大変効果的+効果的)としては、「職務の明確化、男女差のない公正な評価・処遇制度を確立し実行する」が90.7%、「長時間労働を抑制する」が79.1%、「女性の採用及び職域を拡大する」が78.1%となった。

同友会は「今後は、女性が管理職を含めた明確なキャリアプランを描きながら、持てる力を最大限発揮することができるよう、継続的に組織・風土の改革を行っていく必要がある」としている。