2016年4月、熊本県で2度にわたり最大震度7を記録した熊本地震。大きな被害を受けた熊本を支援しようと、東京メトロは2月2・3日の2日間、銀座駅日比谷線コンコース内にて「熊本産直市」を開催した。

「熊本産直市」が開催された銀座駅に、東京メトロ銀座線01系「くまモンラッピング電車」がやって来た

「熊本産直市」では熊本県の特産品などを販売。2日12時からは、熊本県営業部長「くまモン」と東京メトロ地域応援キャラクター「駅乃みちか」らが特産品のPRを行った。

PRイベントの冒頭、東京メトロ銀座駅務管区長の小野田弘氏は「東京メトロでは東京から各地域を盛り上げていきたいと考えています。これまでは東日本大震災で被災した福島の支援のために産直市を行ってきましたが、熊本地震についても、メトロとしてお手伝いできることを……と思い、今回の産直市を行うことにしました」と述べた。熊本県東京事務所長の渡邉純一氏も挨拶し、「ぜひいちごをご賞味ください」と目玉商品をPRした。

今回の「熊本産直市」では、売上すべてを熊本県の復興支援に役立てる。産直市ではいちごやデコポンといった果物の他に、地酒、熊本ラーメン、銘菓などを販売。「くまモン」関連商品や熊本電気鉄道のグッズも販売され、とくに「くまモン」のラッピングを施した熊本電気鉄道01形のマウスパッドが好評で、すぐに売り切れた。

熊本産のいちご「ゆうべに」(700円)はすぐに売り切れ、デコポンも高品質で300円とお手頃な価格だったこともあってか、売行きは好調で何度も補充された。販売スタッフも「(デコポンが)売れているのはありがたい」と話していた。

銀座線01系「くまモンラッピング電車」の車体には「くまモン」がデザインされ、「ガマダセ熊本!!」(「ガマダセ」は「がんばれ」の意味)のメッセージも

東京メトロは熊本の復興支援のため、2月24日まで銀座線01系1編成(01-130編成)を「くまモンラッピング電車」として運行している。新しく1000系の導入が進んだ銀座線では、この編成が最後の01系となり、3月10日をもって営業運転を終了することが決まった。銀座線01系の「くまモンラッピング電車」は、熊本電気鉄道へ移籍した01形「くまモンラッピング電車」の"弟分"として、熊本の復興支援を共通の願いとして運行されるものだ。

熊本電気鉄道01形は現在、2編成4両が活躍している。東京メトロから譲渡され、パンタグラフの搭載、床下機器の刷新などの改造を施したが、車体は銀座線時代のデザインが踏襲され、ラインカラーのオレンジ色も残された。オレンジ色は熊本県の特産品であるデコポンやみかんの色でもあり、熊本と縁の深い色といえる。

銀座線で現在運行中の01系「くまモンラッピング電車」の車体には、「くまモン」の他に名産物の晩白柚(ばんぺいゆ)や辛子れんこんのデザインも散りばめられ、「ガマダセ熊本!!」と支援のメッセージも添えられていた。

「熊本産直市」初日の2月2日は12時頃からPRイベントが行われ、東京メトロ銀座駅務管区長の小野田弘氏、熊本県東京事務所長の渡邉純一氏が登壇。「くまモン」「駅乃みちか」と並んで写真撮影も

「くまモン」は熊本県の名産品であるデコポン、「駅乃みちか」は東京メトロ・熊本電気鉄道で運行される「くまモンラッピング電車」をPR

「くまモンラッピング電車」のマウスパッドはすぐに完売

目玉商品のいちご「ゆうべに」も売切れとなった

デコポンも次々に補充されるほどの売行きに

「熊本産直市」当日は、「くまモン」を見たいと多くの利用者が集まっていた様子。熊本県の特産品も、生鮮品を中心に好調な売行きだったようだ。なお、東京メトロと熊本電気鉄道の沿線スポットを巡る「乗るばい! 飛ぶばい! 楽しむばい! 東京×熊本スタンプラリー」も3月15日まで実施中。期間中に東京から九州の各空港間までANAを利用することで、ANA往復航空券などの商品が当たるWチャンスに応募できるという。

かつての銀座線の車両が移籍した熊本。いまも銀座線に残る01系は熊本支援のため奮闘している。もうすぐ引退する01系は、熊本を助けながら引退の花道を送られる。