シャープは2月3日、2017年3月期第3四半期決算を発表した。4月から12月の累計売上高は、前年同期比23.2%減の1兆4912億円となった。営業損益は189億円の黒字だったものの、経常損益は152億円、純損益は411億円の赤字だった。

会見に臨む野村勝明副社長。前回の決算と違い、落ち着いた会見となった

第3四半期のみの業績は、売上高が前年同期比13.8%減の5715億円で、営業損益は188億円で第2四半期に続き黒字となった。さらに純損益が42億円で、9四半期ぶりの黒字となった。

純損益黒字化の大きな要因は、営業損益の改善。その中で一番大きく営業損益の改善に寄与しているのが、商品ラインナップの見直し・付加価値商品へのシフトなどで437億円のプラスになっている。ヘルシオ グリエ、4Kテレビなどの高付加価値商品の好調さが影響を与えているという。さらには、物流の改善など経費削減で113億円の効果が出ているという。

こうした第3四半期までの業績と、事業環境を勘案し、通期の業績予想の上方修正が発表された。前回11月に出した予想から売上高は500億円増の2兆500億円、営業損益は116億円増の373億円黒字としている。さらに、経常損益、純損益は赤字ではあるものの、163億円赤字、418億円赤字の従来予想から、それぞれ上方修正し、経常損益2億円赤字、純損益372億円赤字の予想とした。