部屋についている設備が大家さんが設置したものなのか、それとも前の入居者が残していったものなのか、見ただけでは判断がつかない場合もありますよね。お部屋探しの際に、内覧でどのような点について確認しておくと良いのでしょうか。住まいの情報にくわしい高田七穂先生に聞きました。

Q 部屋を見たら、部屋にガスコンロがあった。元々、部屋についてるんだよね?

A 前の入居者が置いていった「残置物」の可能性があります。

室内に、エアコンや照明器具、ガスコンロ、ベッドといった設備がついていることがあります。大家さんが設置したものもありますが、なかには、以前の入居者が置いていった「残置物」の可能性もあります。そのまま使用して構いませんが、壊れたときに大家さんに頼んでも取り換えてはもらえません。壊れた場合、自分の費用負担で取り換えなければならないことを知っておきましょう。

元々、部屋についている設備かどうかは、契約書をみるとわかります。契約書に「設備一覧」を示した箇所があります。ここで、「有」に丸がついていれば、大家さんが設置したものです。もし、「無」に丸がついているのに、設置されていれば、「残置物」の可能性が高そうです。念のため、確認してみましょう。

また、内覧の際には、室内にあるものを一つずつチェックして、設置されているものなか、残置物なのかを尋ねておきたいものです。一方で、「残置物」が使用する予定のない照明器具やベッドなどであれば、処分してもらえるかを尋ねておきましょう。

ところで、「残置物」のなかでも、エアコンがあればとても助かります。自分で設置すると、購入費に加え、取り付け費もかかるからです。ただし、家電製品は10年程度で寿命が来ることも少なくないですから、「残置物」の場合は、いつごろ設置されたものかを尋ねておきましょう。そして、取り換え時期をにらんで予算の手当てをしておきたいものです。

高田七穂(たかだ なお):不動産・住生活ライター。住まいの選び方や管理、リフォームなどを専門に執筆。モットーは「住む側や消費者の視点」。書籍に『絶対にだまされない マンションの買い方』(共著)『マンションは消費税増税前に絶対買うべし!?』(いずれもエクスナレッジ)など。「夕刊フジ」にて『住まいの処方銭』連載中