CDからの取り込みかネットワーク配信かを問わず、現在パソコンやスマートフォンで聴かれている楽曲のほとんどは「ステレオ」。スピーカーが1基しか搭載されていない場合は、左右チャンネルをまとめたモノラル出力となるが、イヤホンで聴く場合は当然のようにステレオ再生だ。
しかし、ステレオ再生の場合、周囲の音を聴こうとイヤホンの左右どちらかを外してしまうと、耳に装着していないほうのユニットからも音が出続けてしまう。さえぎるものがないだけに、いわゆる「音もれ」以上の音量となるため、電車の中など公共の場では大迷惑になること必至だ。
そんなときは、iOSのアクセシビリティ機能を使うといい。音声出力をモノラルに変更したうえで、音量バランスを左右どちらかへ(耳に装着するほうへ)振り向けるのだ。そうすれば、耳に装着しないほうのユニットは無音になるため、音もれの心配はなくなる。
手順はかんたん。『設定』→「一般」→「アクセシビリティ」の順に画面を開き、「モノラルオーディオ」スイッチをON(白→緑)、オーディオ音量バランスを左右どちらかへシフトさせればいい。有線接続のイヤホンはもちろん、Bluetoothイヤホンもこの方法で"片耳化"できる。
ところで、音量バランスを左右どちらかへ振り向けるだけでじゅうぶんと考えそうなものだが、それは誤りだ。出力をモノラルに変更しておかないと、音量が左右どちらかへ極端に割り振られた音源の場合、その音が失われてしまう。YouTubeではスピーカーの左右確認用音声信号コンテンツがいくつか公開されているため、モノラルスイッチのON/OFFを切り替え確認してほしい。