Q.子どもを私立中学に通わせる場合、年収はどれくらい必要だと思いますか

先週から、TBS系ドラマ「下剋上受験」がスタートしている。中卒の父親が偏差値41の娘とともに、最難関私立中学の合格を目指すという内容だが、中学受験を経験した親たちは、実際、いくらくらいの年収が必要だと考えているのだろうか。

今回は、子どもに中学受験を受けさせたことのあるマイナビニュース会員173名に「子どもを受験させ、私立中学に通わせる場合、年収はどれくらい必要だと思いますか」と聞いてみた。

Q.子どもを受験させ、私立中学に通わせる場合、年収はどれくらい必要だと思いますか
1位「600万円」 17.9%
2位「800万円」 17.3%
3位「500万円」 16.8%
4位「1,000万円」 16.2%
5位「700万円」 13.3%
6位「900万円」 4.0%

Q.その選択肢を選んだ理由を教えてください

「600万円」

・「うちは公立中高一貫校だったので授業料がかからなかったが、私立に行った人の話を聞くと、入学金など多額なお金がかかるから」(50歳女性/茨城県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「それが、最低ラインだと思う。学費だけでヒーヒー言うのがつらい」(57歳女性/大阪府/教育/専門サービス関連/個人事業主・会社役員)
・「今はさまざまな補助もあるため、高所得でなくてもそれなりに何とかなる」(43歳男性/愛知県/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連/会社員・公務員・団体職員)
・「子どもの人数にもよるが、1人ならこれくらいあれば足りると思う」(53歳男性/愛知県/建設・土木/建築・土木関連技術職/社員・公務員・団体職員)
・「通わせている塾の毎月の月謝や教科書代、自宅で勉強するための参考書や、学力をさらに上げたい場合には家庭教師を雇う必要があり、さらにいざ学校に入学させることになると、多額の入学金が必要になってくるからです」(49歳男性/富山県/その他/技能工・運輸・設備関連/会社員・公務員・団体職員)
・「自分の家は一人っ子だけど、実感として」(52歳男性/神奈川県/総合商社/営業関連/会社員・公務員・団体職員)

「800万円」

・「経済的な最低限の余裕が必要」(36歳女性/埼玉県/サービス/専門職関連/会社員・公務員・団体職員)
・「学費のほか、お付き合いも必要なので」(47歳女性/埼玉県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「ピンキリですが、勉強に集中させるには最低限これくらいは必要です」(41歳女性/神奈川県/その他/その他・専業主婦等/その他)
・「授業料のほか、友だち付き合いでも公立よりお金がかかる」(64歳男性/群馬県/信用組合・信用金庫・労働金庫/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
・「入学してからお金がかかる」(44歳男性/兵庫県/教育/専門サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「中学に通っている親たちの平均だから」(63歳男性/熊本県/医療・福祉・介護サービス/事務・企画・経営関連/個人事業主・会社役員)

「500万円」

・「いろいろ、諸経費以外の勉強費用がかかります」(49歳女性/栃木県/医療用機器・医療関連/その他技術職/会社員・公務員・団体職員)
・「塾、学校その他、たくさんかかるが、節約や生活の仕方、心構えでできることがある」(54歳女性/東京都/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「年間50万円程度は必要なので」(63歳男性/兵庫県/信用組合・信用金庫・労働金庫/営業関連/会社員・公務員・団体職員)
・「授業料その他で年間50~100万程度必要であり、その支出に耐えうる収入として、この程度は必要と考えた」(58歳男性/高知県/教育/専門サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「塾の費用は毎月2~3万円かかる。小学校の3年から通わせたから、それくらい年収がないときつかった」(54歳男性/埼玉県/海運・鉄道・空輸・陸運/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)

「1,000万円」

・「地方からすべて私立で、のちのち東京の大学だと、4年で1,000万以上は必要ですね」(58歳女性/長崎県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「私立に通っていても塾は必要だし、交友関係や部活動、交通費もかかるので、最低限このくらいの収入は必要。実際このくらいの所得者が多数だった」(48歳女性/東京都/百貨店 販売・サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「最低でも1,000万円はないと、入学させた後のことも考えると厳しいと思う。また、学費だけではなく当然それなりの家にも住まないといけないので、この程度は必要」(52歳男性/東京都/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
・「私立の学校は授業料が高い上、その他の雑費がかなりかかる」(51歳男性/千葉県/公益・特殊・独立行政法人/公共サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「周りとの付き合いがあるから」(66歳男性/神奈川県/フードビジネス/営業関連/会社員・公務員・団体職員)
・「いろいろと物入りになることと、余裕のある生活のためにはこのくらい必要」(36歳男性/東京都/通信関連/営業関連/会社員・公務員・団体職員)
・「年間100万円は必要だから(意外に交通費など諸経費もかかる)」(54歳男性/神奈川県/その他電気・電子関連/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)

「700万円」

・「兄弟がいれば500万円じゃキツイかな?」(54歳女性/兵庫県/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「私立中学は年間80万円~100万円(部活動費用などを含む)かかるため」(49歳男性/兵庫県/総合電機/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
・「子どもの学費を払いながら、普通の生活レベルが下がらないようにするためには、このくらい必要」(54歳男性/千葉県/サービス/事務・企画・経営関連/個人事業主・会社役員)

「900万円」

・「自分の家がそれくらいです」(41歳女性/東京都/通信関連/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
・「とにかくお金がかかるので」(39歳女性/京都府/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)

総評
調査の結果、子どもを私立中学に通わせる場合に必要な年収は、「600万円」が17.9%で最多となった。2位は僅差で「800万円」(17.3%)、3位「500万円」(16.8%)、4位「1,000万円」(16.2%)、5位「700万円」(13.3%)と続いた。以下、6位「900万円」(4.0%)、7位「1,500万円」(2.9%)、8位「200万円」と「300万円」(共に2.3%)、10位「400万円」(1.7%)。11位は「1,100万円」と「1,200万円」で共に1.2%。「2,000万円」は0.6%、「それ以上」も2.3%いた。

全体に、最低でも「500万円」以上の年収は必要と考えている人が大勢を占めるという結果となった。ただし、理由としては、生活設計を精緻に行った結果というよりは、「なんとなく」「感覚的にこのくらい」とする回答が目立った。一方で、具体的に「授業料その他で年間50~100万程度」「年間50万円程度は必要」「私立中学は年間80万円~100万円かかる」など、具体的な数字を挙げた上で、逆算して必要な年収を算出する人も見られた。

「900万円」、「1,000万円」など比較的高収入が必要とする人の中には、「周りとの付き合いがある」「いろいろと物入りになる」「お付き合いも必要」など、むしろ学費以外にかかる負担を訴える声が多かった。周りの水準を見て、余裕のある暮らしをするにはこの程度の収入は必要、との理解のようだ。

私立中学に進学するとなると、もちろん公立中学よりは教育費の負担がかかる。しかし、今回さまざまな回答があったことを踏まえると、節約や生活の仕方次第で、受験にチャレンジできる世帯は、少なくないと言えるだろう。

家族がどのような生活を維持したいのか、子どもの将来をどうしたいのか。公的な補助などもチェックした上で、検討してみるのもいいかもしれない。

調査時期: 2017年1月10日~2017年1月11日
調査対象: マイナビニュース会員(子どもに中学受験をさせたことのある男女)
調査数: 173人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません