東京メトロは11日、銀座線1000系特別仕様車両の報道公開を実施した。銀座線開通当時の旧1000形のイメージをさらに強調したデザインとなり、通常運行の他に各種イベントなどでも活用される。2編成導入され、うち1編成は1月17日以降に運行開始される。

東京メトロ銀座線1000系特別仕様車両が報道公開された

銀座線1000系は2012年1月にデビュー。既存の01系に代わる新型車両として導入が進められ、今回導入される特別仕様車両2編成をもって全車両の更新が完了する。

特別仕様車両の導入に経緯について、東京メトロ車両部によれば「平成25(2013)年に2本増備することが決定した際、地下鉄開通90周年のイベントなどにも活用できるように、お客様がより楽しめる車両を作ろうということになり、設計が進められました」とのこと。銀座線では「伝統×先端の融合」の路線コンセプトを軸にリニューアル工事も進められており、特別仕様車両は「伝統」のコンセプトにもとづき外観・内装が一新され、これまでの1000系以上に旧1000形のイメージに近いレトロなデザインとなった。

車体前面に設置された前灯は量産車の2灯式に対し、特別仕様車両は1灯式に。尾灯の形状も変更された。旧1000形のウインドシル / ウインドヘッダー(窓枠や出入口周りの強度を保つために使用された補強部品)を模擬したデザインも特徴で、立体的に見えるシールを車体前面・側面の窓下および車体側面の窓上に貼ることでレトロな雰囲気を再現している。車体色の黄色を窓周りにも施し、握り棒・開閉ハンドルは真鍮色に変更された。

車内も旧1000形をイメージさせる色合いとなった。木目調の内装を用い、腰掛表地の配色を緑(優先席は除く)に変更。手すりや握り棒は真鍮色となり、吊り手はリコ式風の形状に。号車・製造者銘板も旧1000形の製造者銘板のデザインを再現した。

特別仕様車両の前灯は1灯式。旧1000形のウインドシル / ウインドヘッダーを模擬したデザインに変更された

銀座線1000系特別仕様車両の車内

旧1000形のリコ式吊り手の形状を再現し、イベント用に予備灯も設置。号車・製造者銘板も旧1000形の製造者銘板のデザインを再現した

イベント運行などで使用される機能も追加されている。室内灯には調色機能が追加されており、通常時は蛍光色、イベント時は電球色に変更可能で、「TIS装置からの指令による調色制御を行う」とのこと。イベント用予備灯も車内に設置され、イベント時にポイント部付近を通過する際、天井灯消灯と同時に予備灯が点灯する。「先頭車の集電靴(電圧検知)の加圧条件をTIS装置により検知し、速度・走行距離・加速減度を演算し、各車両順番に予備灯の点灯(同時に天井灯の消灯)を制御」するという。

特別仕様車両2編成のうち、今回公開された1139編成については1月17日以降の運行開始予定であることが発表された。残る1140編成も2月中旬の搬入、3月中旬の運行開始を予定している。なお、1000系による更新完了にともない、銀座線で活躍してきた01系は今年度中に引退する予定。現在は2編成のみ残っている(うち1編成は「くまモンラッピング電車」として運行中)とのことだった。

東京メトロ銀座線1000系特別仕様車両の外観・内装