まとまったお金が入るボーナスは、手持ちのお金を増やすチャンスですよね。とはいえ、今は預金の金利も低い水準。少しでも増やせたら……と思う人もいるのでは? そこで今回は、初心者向けの投資方法をご紹介します。
初心者におすすめの投資商品は?
■1.個人向け国債
国債とは、国が発行する債券のことで、個人向け国債はその名の通り個人向けの国債です。また、債券はお金を借りた人が、借りた証拠に発行する「借用証書」のようなもの。個人向け国債を買うことは日本の国にお金を貸すのと同じことになります。銀行やゆうちょ銀行、証券会社などで、1万円単位で購入可能です。
買った個人向け国債には、半年ごとに利息がつきます。2016年12月に発行された個人向け国債の利率(税引前)は0.05%。大手銀行の定期預金の金利は0.01%(2016年12月現在)なので、5倍の水準になります。
債券には満期があり、満期になるとお金が戻ってきます。個人向け国債の満期は3年、5年、10年の3種類あるので、この先お金を使う予定に合わせて選ぶと良いです。3年、5年満期のものは固定金利といって満期まで金利が変わりませんが、10年満期のものは変動金利といって、経済状況に応じて金利が変動します。今後、金利水準が上がれば、利息もアップするかもしれません。
■2.投資信託
値動きのある投資にチャレンジしたい人には、投資信託がおすすめ。投資信託とは、たくさんの人から集めたお金を、プロの投資家が運用してくれる商品のこと。運用先は国内外の株式や債券、不動産など幅広いジャンルにわたります。投資信託を購入すると、プロがそのお金で投資先の銘柄選びから売り時まで判断してくれるイメージです。運用実績が好調なら、投資信託の値段である「基準価額」が上がったり、利息のような分配金を受け取れたりします。もちろん、基準価額が下がって元本を割るリスクもあります。
運用の方針や投資先、銘柄は個々の投資信託によって違います。例えば、日本の日経平均株価と同じ動きをする投資信託は、日本の225銘柄の株をすべて買っているのと同じことになります。あるいは、特定の業種に特化して銘柄を選ぶものや、新興国の債券に投資するもの、アメリカの不動産に投資するものなど、様々です。国内外の債券や株式、不動産など、複数の資産に分けて投資をする「バランス型」というタイプもあります。
投資信託は、約1万円から買えるものが一般的ですが、購入する数量を増やして、まとまった資金で投資をすることも可能です。逆に、毎月少しずつ購入する積立投資もできます。
■3.ETF(上場投資信託)
投資信託の一種にETFもあります。これは、Exchange Traded Fundの略称で、テレビや新聞などでおなじみの日経平均株価や東証株価指数TOPIXなどの指数に連動した動きをする投資信託のこと。外国の株価指数に連動するものや、原油、金に連動するものもあります。投資に興味があり、購入した後に価格の動きをチェックするのが面倒という人でも、ニュースなどで情報を得やすいのが長所です。
ETFの価格は、株式市場が開いている時間帯は常に変動しています。およそ1万円台から購入できるものが多いです。株式投資に興味があるけど銘柄を選ぶのが難しい、小さな予算で投資にチャレンジしてみたいといった人に向いています。
以上3つ。いずれも1万円程度の少額から始めること、ボーナスのまとまったお金で購入すること、どちらもできます。まずは無理のない余裕資金で始めてみると良いですね。
※写真と本文は関係ありません
筆者プロフィール:加藤梨里
ファイナンシャルプランナー(CFP)、慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科 特任助教
保険会社、信託銀行を経て、ファイナンシャルプランナー会社にてマネーのご相談、セミナー講師などを経験。2014年に独立し「マネーステップオフィス」を設立。専門は保険、ライフプラン、節約、資産運用など。大学では健康増進について研究活動を行っており、認知症予防、介護予防の観点からのライフプランの考え方、健康管理を兼ねた家計管理、健康経営に関わるコンサルティングも行う。