外国人が苦手な和食として知られる「納豆」。日本の朝食の定番であり、幼い頃からなじみがある人にとっては特に抵抗もないだろうが、ある日突然目の前に出された場合、その独特な風体は異文化の象徴のようなものであるかもしれない。それを体験した外国人は、実際、どのように感じたのだろうか。日本在住の外国人20人に「初納豆体験」を聞いてみた。
意外とおいしかった
・「おいしかったです。大好物です」(インドネシア/40代前半/女性)
・「意外とおいしかった。ちょっと変わった食感(ねばねばしている)があるけど、食べてみたらとってもおいしくて栄養的です」(ブラジル/20代後半/男性)
・「納豆についてはよく『とんでもない臭いがする』って聞きますが、食べた時に臭いはそれほど強烈ではなかったと思います。味も予想したよりずっとおいしかったです。問題は、その後こみ上げてきた食感のねばねばさ。気持ち悪いに近い感じでした。これから食べる人は、まず少しだけ食べた方がいいと思います。思い切って大きい一口を食べると後悔するかもしれません」(イタリア/30代前半/男性)
苦手だった→でも今は好き
・「臭い。タレがないと何の意味もない腐った豆煮。最初は苦手でしたが、今はもう大好きになりました。たまに買っています」(タイ/30代前半/男性)
・「長い間、臭いをかぐだけでもだめでしたが、食べてみれば意外とおいしいことに気づきました」(ウクライナ/30代前半/男性)
・「初めて食べた時、意外と臭いとねばねば感は平気でしたが、味はあまり好きじゃなかったです。全く食べられなかったわけではないですが、わざわざ買わなくていいという感じでした。でもある日、アボカドと一緒に食べてみたのをきっかけにいきなり好きになって、今はよく食べています」(アメリカ/30代前半/女性)
臭い!
・「臭い、食べない」(ベトナム/20代後半/男性)
・「とにかく臭いと思った。ねばねばですごく臭いがする食べもの」(台湾/20代後半/女性)
・「臭いがあまり好きじゃありません。臭くて、ベタベタしています」(香港/20代後半/女性)
・「納豆の臭いはどうしても耐えられない」(フィリピン/40代前半/女性)
・「ねばねばしてて臭くてとても食べるものだと思いませんでした」(インド/40代前半/男性)
・「臭い! でもイケそうと思った。健康にいいので食べてみよう、と」(パラグアイ/30代前半/女性)
・「とても苦くて、まず臭いし、何でできているか知った時はすごくびっくりした。やはり臭いからもう苦手なので、おいしく感じません。はっきり言って、外食先で食べた納豆はまずかったです。しかし、後で日本人の友だちの実家で食べた手作り納豆は意外と大丈夫だった」(ハンガリー/30代前半/女性)
気持ち悪い、吐きたい感じ
・「初めて食べた時、吐きたい感じがしました。今も苦手です。納豆の印象は、まずは健康商品で、独特の臭いと味、好きな人なら癖になるというものです」(中国/30代中半/男性)
・「食感が気持ち悪い。臭い豆」(韓国/20代前半/男性)
おいしくない
・「おいしくないと思いました。チーズより腐ったものという印象」(フランス/30代前半/男性)
・「まずいと思いました」(スペイン/30代前半/女性)
食べたいと思わない
・「いろんな人たちから納豆は臭いと聞いたんですが、自分で食べた時、思ったより臭くなかった。でも、食べたいとは言わないですね」(モンゴル/30代前半/男性)
・「納豆の臭みと粘々は苦手なので食べたことがありません。腐った豆なので、とても食べたいとは思えません」(ルーマニア/30代前半/女性)
好きでも嫌いでもない
・「見た目より味が良かったが、別に好きでもないし嫌いでもない」(ロシア/20代中半/女性)
総評
納豆の第一のイメージである「臭い」を不快に感じ、今も嫌っている人は20人中10人と、今回のアンケートの半数を占めた。また「臭いはそうでもないけど、おいしくない」と思っている人は3人。合計13人が、納豆をイマイチな食品であると感じていた。しかし、「好き」または「好きになった」という人が6人もいたという点は、嫌いな人が多かったことよりも驚きの事実ではないだろうか。
納豆は健康的な食材として世界中に知られ、それを理由に食べ始める人もいる。初めは珍味的な存在であっても、そこから病み付きになる人も多い。世の中には、最初は「何コレ!? 」と思っても、その内、大好物にまで発展するものがたくさんある。ビールの苦み、コーヒー、わさび、パクチーなどがその例だろう。
脳の「コレはやめた方がいい」という警告を無視して回数を重ねていけば、どういうわけか「コレはおいしい」になってしまうのだ。そうならない場合もあるものの、食べず嫌いは本当のおいしさを見逃してしまうことになるのかもしれない。まずは挑戦が初めの一歩のようだ。
調査時期: 2016年7月16日~2016年8月15日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20人
調査方法: インターネット応募式アンケート
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