メドピアはこのほど、「2016年、最も注目した医学・医療界のニュース」を発表した。同企画は11月30日~12月6日、医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」会員医師4,378人を対象にインターネットで実施したもの。
「2016年、最も注目した医学・医療界のニュース」の総合ランキング1位は「新専門医制度で混乱、2018年度に延期へ(年初)」(1,083名)だった。
医師からは、「専門医制度の混乱で医療現場でも混乱が起こっている」(50代、神経内科、開業医)、「多くの医師の反対意見にもかかわらず、廃止とならず単に延期となったのは誠に残念」(70代、健診・予防医学、勤務医)、「展開次第では、医療崩壊への最後の一撃になりかねない」(50代、一般内科、開業医)などの理由が挙がった。
2位は「オプジーボなど『高額薬剤問題』急浮上(2月)」(1,008人)となった。理由は「医薬品の高騰が保険制度の維持に与える影響について現実を突きつけられた」(30代、整形外科・スポーツ医学、勤務医)、「薬価の決定方法について知るいい機会になったが、決め方には大いに問題がある」(30代、泌尿器科、勤務医)などだった。
3位は「謎の中毒死、大口病院事件(9月)」(556人)。「今後さらに医療者側への風当たりが強くなるのではと感じた」(30代、眼科、勤務医)、「善意に基づいて働いている医療に、このような悪意が入ると回避しようがない」(40代、在宅医療、勤務医)といった理由が寄せられた。
4位は 「『オートファジー』大隅氏にノーベル賞(10月)」(499名)、5位は「いらない手術・クスリ週刊誌報道で混乱(8月)」 (218名)だった。
勤務医・開業医別で見ると、勤務医の1位は「新専門医制度で混乱、2018年度に延期へ(年初)」、開業医の1位は「オプジーボなど『高額薬剤問題』急浮上(2月)」だった。
勤務医のみでランクインしたのは「産業医大病院、点滴袋に穴(11月)」「柳原病院、医師逮捕事件(8月)」だった。開業医のみでは、「診療報酬改定(7対1基準、紹介状なし受診など)(4月)」「化血研、違法製造で再び改善命令(10月)」がランクイン。より医師自身に身近なニュースが選ばれていることがわかった。