経済同友会は12月21日、2016年の「企業の採用と教育に関するアンケート調査」の結果を発表した。同調査は今回で9回目。調査期間は2016年9月7日~10月12日、有効回答は会員企業197社。

「対人コミュニケーション能力の養成」が重要

直近1年間の新卒採用状況を尋ねると、大学学部卒業者は95.9%の企業が、大学院修士課程修了者は81.0%の企業が採用したと回答。平均採用(正社員)数は、大学学部卒業者が95.2人(前回(2014年)62.2人)、高校卒業者が65.8人(同36.6人)などとなった。

新卒採用した人材に、同友会が提示する「課題設定力・解決力」「耐力・胆力」「異文化適応力」「コミュニケーション能力」の4つの資質・能力が備わっているか聞くと、大学生、大学院生、既卒者いずれも「ある程度は備わっている」と答えた企業が過半数(約5~7割)を占め、「十分備わっている」は半数未満にとどまった。

新卒者を雇用する企業として、人材育成の観点から学校教育に対して期待することを、中学校・高校、大学・大学院別に重要と思う順に選んでもらったところ(上位3つの合計)、人格面では、中学校・高校、大学大学院とも同順位となったのが、1位「対人コミュニケーション能力の養成」(8割前後)、2位「ストレス耐性」(約6~7割)、4位「自立心の養成」(6割前後)だった。

人材育成の観点から学校教育に対して期待すること ①人格

一方、学校別に見ると、中学校・高校では3位に「基本的生活習慣や社会人としてのマナーの教育」(65.8%)が入ったほか、大学・大学院では「ストレス耐性」と「職業教育・職業観の養成」が同率(60.1%)2位となった。

新卒者採用で重視する経験は(上位3つの合計)、大学生、大学院生、既卒者いずれも「サークルや体育会等の活動」が断トツの1位(7割超)だった。