マイナンバー制度の導入電力小売自由化など、いろいろなことがあった2016年もあとわずか。2017年へのカウントダウンが始まっています。そこで今回は、2017年に変わる「お金に関わる制度」をご紹介します。

2017年1月~ 個人型確定拠出年金の加入できる対象者が拡大

現行の個人型確定拠出年金の加入対象者は、日本国内に居住している20歳以上60歳未満の自営業者とその家族、自由業、学生などの国民年金の第1号被保険者と、60歳未満の厚生年金保険の被保険者(国民年金の第2号被保険者)でした。

個人型確定拠出年金は、こうした国民年金、厚生年金保険に上乗せする制度で、掛け金は全額所得控除になるほか、給付金を年金で受け取る場合には「公的年金等控除」、一時金で受け取る場合には「退職所得課税」が適用されます。

年金の運用は加入者本人が決めて、運用益にかかる税金は非課税となるメリットはありますが(通常の投資での運用益には約20%課税される)、運用リスクは自分で負うことになります。

公務員・専業主婦(夫)も確定拠出年金の運用が可能に(画像はイメージ)

2017年1月からは、個人型確定拠出年金の加入範囲が拡大され、これまでの加入対象者に加えて、公務員等の共済加入者、私学共済加入者、第3号被保険者(専業主婦)等が追加され、基本的にすべての人が加入できるようになります。

また、確定拠出年金には企業型もあり、掛け金は企業が負担すると言う点が異なりますが、税制上のメリットや運用方法はほぼ同じです。 専業主婦や所得が103万円以下の主婦(主夫)の場合、(そもそも所得税が非課税である人)個人型確定拠出年金のメリットのひとつでもある所得控除が受けられない点は注意が必要です。

また、実際の運用には手数料といったコストもかかってきますので、コスト面も考慮に入れながら運用をすることをおすすめします。

2017年4月~ 都市ガスの自由化がスタート

2016年4月に電力自由化がスタートして、消費者が電力小売事業者を選べるようになった のも記憶に新しいかと思います。この2017年4月からは、都市ガスが自由化され、ガス会社を消費者が選べるようになります。とはいえ、会社を変えたとしてもガス管などの設備は従来のものをそのまま使うことができます。

電力自由化の際に新規参入した事業者は、ガス、LPガス、通信、石油、小売など多くの事業者が参入しました。今回は加えて電力会社が参入することが考えられます。

このことで、電力とガスに加えて事業者によっては、その事業者が提供するサービスを加えた月額料金にメリットのあるプランが登場することが考えられるでしょう。

このガスの自由化に合わせて、電力小売事業者の見直しをするタイミングになるでしょう。ただし、場合によっては契約の縛りが強くなりすぎて解約手数料や違約金等で節約の効果がなくなってしまうことも考えられますので、契約の際は必ず約款など細かい部分も読み込んでから契約をするようにしましょう。

終わりに

このほか、2017年には配偶者控除が廃止や夫婦控除といった、働き方を変える法制度の改正があるのではないかと言われていましたが現時点では決定には至っていません。2017年はこちらの制度改正の動きにも注目が集まる年になりそうです。

※画像は本文とは関係ありません。

執筆者プロフィール : 丸山晴美(まるやま はるみ)

外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している。