声優だけでなく、歌やダンスもこなす人気上昇中の2.5次元アーティストグループ・ツキクラの単独ホールイベント「TSUKINO CROWD FESTIVAL 2016 WINTER」が12月13日、東京・赤坂BLITZで開催された。メンバーの荒一陽、市川太一、糸川耀士郎、井上雄貴、大海将一郎、菊地燎、小松準弥、徳武竜也、西野太盛、筆村栄心、古畑恵介、松岡一平がそろったこのイベントは、翌14日にデビューシングル「未来のPiece」がリリースされるということで、12人の気合みなぎるステージとなった。今回はその模様をレポートする。

ツキクラのメンバー12人

詰めかけたファンの爆発的な歓声の中、まずはデビュー曲「未来のPiece」を披露。7月の単独イベントではラフなTシャツの衣装で披露されていたこの曲。白いステージ衣装に身を包み、堂々と踊るその姿は、ツキクラの5カ月間の成長をうかがわせた。

5カ月前のイベントでは、ユニットとしてCDデビューできる選抜メンバーの発表が行われ、ファン投票により選ばれた上位7名とそうでない者とで命運が分かれることとなった。そんな状況を乗り越え、さまざまなイベントや、ライブ配信番組への出演、そして「劇団アルタイル」の声優としての活動で培ってきたツキクラの強さが感じられた一曲だった。

続いてメンバー一人ひとりが自己紹介。それぞれがスペシャルバージョンの自己紹介を行う中、おじいちゃんキャラの徳武は、「ラジオで披露して大失敗したやつやりまーす」と、イケメンボイスで「お前ら全員、孫にしてやる! 徳武竜也です」と自己紹介。会場から「孫にしてー!」と、笑いまじりの黄色い声が上がった。
最初の企画コーナーはサイン入りの紙飛行機を誰が会場内で一番遠くに飛ばせるかの対決。「劇団アルタイル」のユニット「Rigel」、「Regulus」「Sargas」の3チーム対抗戦だ。
チーム内での予選が行われ、Sargasで代表に選ばれた筆村は、他のメンバーからの念を背中に受けつつ紙飛行機を飛ばす。船舶操縦士の免許を持っていることでおなじみの筆村、紙飛行機づくりも得意だったようだ。

Sargasのメンバー。紙飛行機を飛ばす筆村栄心

Regulusの代表は、自称"浮力の糸川"。「すべてデータで計算している」という設定(?)で「データはうそをつかねえんだよ!」と豪語しながら俊敏な動きで紙飛行機を飛ばしていた。

Regulusメンバー。紙飛行機を飛ばす糸川耀士郎

優勝したのは、Rigel代表の古畑。「優勝賞品のマッサージギフト券が絶対欲しくて、ギネス記録をつくった紙飛行機の折りを検索したから!」と言っていただけあって、優勝が決まると子供のようにはしゃいでいた。

Rigelメンバー。紙飛行機を飛ばす古畑恵介

続いてはツキクラメンバーが声優を務めるキャラクター「劇団アルタイル」の朗読劇。「劇団アルタイル 始まりの時」と銘打たれたそれは、劇団のメンバーへ、CDデビューできる選抜ユニットが発表された日のことを描いたものだった。

劇団での選抜メンバーと、7月のイベントで発表されたツキクラの選抜メンバーはもちろんリンクしている。選抜に選ばれた者、選ばれなかった者それぞれの思いを、役のセリフとしてメンバーが口にする。
筆村演じるリツが「選ばれなかった…」と寂しそうに告げると、古畑演じるイズモが「まあ、お前は体力ないしな!別に、これでバラバラになるわけじゃないし!体力つけてきちっとやればお前はすぐこっち側だ!」と、選ばれた側としての戸惑いを見せながら、ツンとした態度を崩さずリツを励ましていた。
選ばれなかった5人の掛け合いのシーンでは、西野演じるミカドは「俺たちに足りないのは、目標意識…か」と冷静に自己分析し、市川演じるユウリが「道はまだまだ続いている。今度は僕らが彼ら以上に力をつけて先に出るべく努力をする。それが、今僕たちがやるべきことじゃないかな」と他のメンバーを諭す。
それを受け、ミカドとリツは前向きな気持ちを取り戻すが、荒演じるサクヤは「俺はそう簡単に切り替えられない。だけど、同じ立場のやつもいるし。せいぜいこれ以上落ちないようにする」と言い、菊地演じるヒジリは選ばれなかった悔しさをストレートに出しつつも、「ムカつくのは認識が甘かった自分自身だ。その怒りをレッスンのパワーにする」と宣言。それぞれのやり方で悔しさを未来への原動力に変えていくストーリーだった。

荒、市川、菊地、西野、筆村の5人は朗読劇でファンを魅了

そして朗読劇は、ユウリの「がんばれ、みんな。すてきな歌で、ダンスで。輝いて…」という選抜メンバーへのエールで終わる。その余韻の中、「ルイトモ」のイントロが流れ出し、ステージでスタンバイしていたRegulusの糸川、大海、松岡のパフォーマンスがスタートした。
この演出にはRegulusのメンバーも感動していたようで、松岡は「ユウリのセリフからイントロが流れるとぞくぞくっとしちゃう。曲に入る前に泣きそうになるからやめてほしい」と笑い、2人から「今日ずっと泣きそうじゃん!」と突っ込まれていた。

Regulusの糸川、大海、松岡

続けて「Galaxy Fantasy」と「Beautiful World」を披露した後、井上、小松、徳武、古畑によるRigelへバトンタッチ。「Breake It Down」ではロックチューンにのって4人がステージを跳ねながら会場をあおる。
井上が「みなさん盛り上がる準備できてますかー!まだまだいくよー!」と力強い声で盛り上げ、「Now or Never」、「Ki-Ra-Ri」でさらに会場をヒートアップさせた。

Rigelの井上、小松、徳武、古畑

MCではノリノリなRigelの楽曲を振り返り、徳武が「(Break It Downで)今まで生きてて曲の中でプチョプチョヘンザって言うなんて思わなかった!」とコメント。
続いてツキクラ12人がステージにそろい、Sargasのメンバーにどのユニットソングが良かったのかを聞いてみると、市川は「『Beautiful World』。ようちゃんの歌い出しで、一気に世界観に引き込まれた」とコメントし、糸川が「すごいうれしいんだけど、ちょっと照れるね」と笑う。菊地は「『ルイトモ』がよかった。個人的な視点ですけど一平さんの動きがめちゃくちゃかわいい」と言い、ファンの共感を誘った。
そして、デビューシングルのカップリングに収録されたツキクラとしての楽曲「I need you」、「グロリアスストーリー」へ。ツキクラお披露目イベントから披露されてきたこの2曲もついにフルバージョンになった。

「I need you」を歌う市川、大海、菊地、小松、徳武、古畑

「グロリアスストーリー」を歌う荒、糸川、井上、西野、筆村、松岡

最後はそれぞれがメンバーカラーのTシャツを着て登場し、再び全員で「未来のPiece」を披露。ステージや花道をメンバーたちが自由に動き回り、ファンへ手を振ったり、メンバー同士で肩を組んだりおんぶをしたりと、にぎやかなエンディングとなった。

最後のあいさつでは、筆村は涙で声を詰まらせていたところを、ファンに「がんばれー!」と励まされ、「大丈夫、強い子だからね。ありがとう」と笑顔で返した。そこへ「天使かよー!」とリアクションしながら、「ふーくんは泣かないよ!」と元気にあいさつをするのは、前回のイベントで号泣していた古畑。
小松は「僕たちがこうしてステージ立てるのも、みなさんのおかげですごく感謝しています。こうして12人そろってステージに立つのはすごく楽しいし、幸せです。みんなとさらに絆を深めて大きくなっていきたいと思います。これからも応援よろしくお願いします」とファンへの感謝を伝える。
井上は、7月の選抜投票で1位を獲得したことに触れ「プレッシャーを感じながら、ツキクラのために自分は何ができるのかひたすら考えてやってきた半年間でした。僕たちが今日のために積み上げてきたものがみなさんに届いて、楽しい思い出として持って帰っていただけたらうれしいです。これからも僕たちツキクラについてきてください」とコメント。 また、Regulusのステージで「泣きそう、でもまだ泣かない!」と言っていた松岡がRegulusの練習での苦労を語りながらついに泣いてしまうと、隣の大海がおどけた様子で「泣くなー!」となだめ、Regulusで肩を抱き合って励まし合う場面も。
最後に全員で手をつなぎ、「ありがとうございました!」と笑顔であいさつしステージを後にした。

この日披露されたユニット曲が収録される、RigelとRegulusのキャラクターソングCDが2017年2月15日に、ユニットドラマCD第2弾が3月17日に発売されることがそれぞれ決定した。
更に、劇団アルタイルとしての初イベントが4月15日、16日に開催決定。5月13日には「TSUKINO CROWD FESTIVAL 2017 SPRING」がZEPP TOKYOで行われることが決定し、ますます活動が加速していくツキクラ。今後も彼らから目が離せない。

「TSUKINO CROWD FESTIVAL 2016 WINTER」セットリスト

M-01 未来のPiece ツキクラ
企画コーナー 僕の想いは何メートル? 届け☆紙飛行機に乗せて! ツキクラ
朗読劇 劇団アルタイル・はじまりのとき ツキクラ
M-02 ルイトモ Regulus【糸川耀士郎(神谷トウマ役)、大海将一郎(要タツヒコ役)、松岡一平(永田イツキ役)】
M-03 Galaxy Fantasy Regulus
M-04 Beautiful World Regulus
M-05 Brak it down Rigel【井上雄貴(市ヶ谷リンタロウ役)、小松準弥(渋谷ヨウスケ役)、徳武竜也(辰巳マキ役)、古畑恵介(大崎イズモ役)】
M-06 Now or Never Rigel
M-07 Ki-Ra-Ri Rigel
M-08 I need you ツキクラ
M-09 グロリアスストーリー ツキクラ
M-10 未来のPiece ツキクラ