予報士といえば、ほぼ例外なく、気象予報士を思い浮かべるだろう。だが、高速道路の渋滞を予測する「渋滞予報士」も存在している。NEXCO東日本 関東支社 交通技術課に所属する外山敬祐氏がその人だ。しかも渋滞予報士と名乗ることができるのは、外山氏ただ1人だ。
そもそも、この渋滞予報士は、NEXCO東日本 関東支社で渋滞予測に携わっている担当者の愛称で、平成19年7月から、こう呼ばれ始めた。外山氏で現在5代目だという。また、気象予報士と異なり資格制ではないが、渋滞について多角的に分析するスペシャリストとして存在感を示している。
高速道路ごとに異なる渋滞の定義
その渋滞予報士の最大の使命が渋滞を減らすこと。そのために「いつ」「どこで」「どれくらい」の渋滞が起こるのかを予測したり、渋滞対策の立案・効果検証を行ったりしている。さらに、渋滞対策に関してのPR活動も行う“広告塔”としての役割も持ち合わせている。
そんな外山氏に渋滞について話をうかがったのだが、まず気づかされたのが各高速道路によって渋滞の定義が異なること。NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本の3社が管理する高速道路では、一部例外となる路線はあるものの、基本的には「時速40km以下の低速走行状態」が渋滞となる。そのほかの高速道路でもそれぞれ異なるが、長くなるので割愛しよう。
「各路線によって交通流の性格が異なるので渋滞の定義も変わってきます」と外山氏は話す。