説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『Apple Payってバッテリーを喰うの?』という質問に答えます。
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Apple Payは、iPhone 7/7 Plusに内蔵のNFCチップを利用した非接触型決済機能です。基本仕様は世界共通ですが、日本向け製品でのみ有効化されたNFCチップ(Type-F/FeliCa)により、フィーチャーフォンやAndroid端末で利用されてきた「おサイフケータイ」と同等の機能を発揮します。
Apple Payがバッテリーを喰うかとのご質問ですが、iPhoneが電源オフのとき支払いできないことからしても、ある程度の電力を消費することは確かです。iPhone 7/7 Plusに内蔵のNFCチップは、iPhoneが供給した電力で動作する仕様のため、システムが稼働していなければ動作しません。
クレジットカードサイズの電子マネーカードにバッテリーは搭載されていないではないか、と疑問に思うかもしれませんが、iPhone 7/7 Plusのしくみはそれと異なります。電子マネーカード読み取り装置は、半径10センチ程度の磁界を作り出し、その磁気を受け取った電子マネーカード内部の薄型コイルが電流を発生させることでICチップを作動させますが(電磁誘導)、iPhone 7/7 Plusにこのしくみは搭載されていません。電力なしにICチップは動作しませんから、iPhone本体から調達しているというわけです。
とはいえ、Apple Payが消費する電力はごくわずかです。iPhone 7/7 Plusを電子マネーカード読み取り装置に近づけると『Wallet』が起動することからもわかるとおり、NFCチップはつねに信号を受信できる状態にありますが、液晶ディスプレイやデータ通信を必要とする処理と比較すると、圧倒的に少ない電力で稼働します。iOS 10にはApple Payをオン/オフする機能が用意されていませんが、その必要がないから省略されていると考えていいでしょう。