最新のCubaseと VSTプラグインが体験できる、無料のユーザーイベント「Steinberg Day 2016」が、12月17日、18日の2日間にわたり、Red Bull Studios Tokyoにて開催された。同イベントから、発表されたばかりの最新音楽制作ソフトウェア「Cubase 9」の気になる新機能や、当日のイベントの模様などをレポートしよう。
今回のイベントで大々的にフィーチャーされていたのが最新DAWソフトウェア「Cubase 9」シリーズだ。12月はじめにリリースされたばかりの同製品は、Steinbergの音楽制作ソフトウェアの最新バージョンとなっており、ウィンドウ1つでほとんどの作業が行えるように刷新されたGUIをはじめ、サンプラートラック、MixConsoleでの操作の履歴管理、新しい8バンドEQプラグイン「Frequency」など数々の新機能が搭載された。
特に、進化したGUIデザインは、プロジェクトウィンドウに加え、左ゾーンにVSTi/MediaBay、右ゾーンにInspector/Visibility、さらに新設された下ゾーンにMixConsole や各種エディター、コードパッドなどを表示可能となったことで、視認性および作業効率を飛躍的に向上させている。もちろん、従来のように機能ごとにウィンドウを個別に表示することも可能なので、マルチディスプレイを使った制作環境などもサポートされている。
また、Cubase 9では、専用サンプラーもDAWのトラック機能の一部として完全に統合された。これにより、オーディオデータをトラックにドラッグするだけでサンプラーとしての機能を使用可能となり、オーディオとMIDIの使い勝手の両方を生かしながら、より自由なサウンドメイキングが行えるようになった。なお、Cubase 9には数百ものサンプルとプリセットを満載した専用サンプルライブラリー「Caleidoscope 」も付属する。
プロクリエイターの制作手法やTIPSも大公開!
「Steinberg Day 2016」のイベントステージでは、両日にわたり、特別ゲストを招いたプロのクリエーターによる Cubase+VSTセミナーが開催された。Cubase新機能レビューをはじめ、mihimaru GTの三宅光幸氏、音楽プロデューサーの鈴木ヒロト氏を招いてのクリエイターワークフロー解説など、Cubaseユーザーのみならずとも注目のイベントが目白押しとなっていた。
スペシャルゲストに、三宅光幸氏(左)と鈴木ヒロト氏を招き行われたクリエイターワークフローセミナー。当日は、アルスマグナのカバーバージョン「気分上々↑↑」のプロジェクトデータを実際に試聴しながら、プロならではの制作手法や数々のTIPSなどが公開された |
会場に設けられた「VST PlugIn Zone 」では、A.O.M、Dirigent、High Resolution、Hookup、IK Multimedia、Media Integration、Native Instruments、Prominy、SONICWIRE、TACSYSTEM、UVIなど、VSTプラグインメーカーおよび代理店11社が一挙集結。音楽制作におけるデファクトスタンダードともなっているVSTプラグインには、全世界の多数のメーカーから音源やエフェクトがリリースされており、そのバリエーションの豊富さも、Cubaseの大きな魅力の1つといえるだろう。