『アイドルマスターミリオンライブ!』のCD「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER ACTIVITIES 03」の発売記念イベントが2016年12月17日、横浜ベイホールで開催された。

イベントには同CD参加メンバーの大関英里(佐竹美奈子役)、近藤唯(篠宮可憐役)、阿部里果(真壁瑞希役)、平山笑美(北上麗花役)、木戸衣吹(矢吹可奈役)が参加した。

「THE@TER ACTIVITIES」は、ゲームと連動した映画を題材にしたCDに、主題歌とドラマを収録する新コンセプトのシリーズ。出演するアイドルはミリオンスターズ37人の中から投票によって配役を決定している。今回のテーマは「学園ホラー」で、矢吹可奈は普通の子役、佐竹美奈子は幼馴染役、篠宮可憐は転校生役、真壁瑞希は部長役、北上麗花は霊役にキャスティングされている。

楽曲やCDドラマの裏話を語る「撮影裏話」コーナーでは、霊役の平山が今回鍵になるキャラクターなこともあり、「赤い世界が消える頃」の収録も平山からスタートしたそう。緊張していたという平山に木戸は「いい意味で不気味」と好(?)評価。ドラマについては大関が「私は(霊に)とり憑かれる役なので、麗花さんの声を聞きながらかぶせで同じセリフを言ってるんです」と裏話を披露していた。この大関の演技についても木戸が「怖かった、いい味出してたよね」と評し、謎の採点担当になっていた。ドラマ収録時にはスピーカーから異音がしたという、学園ホラーものならではのエピソードも語られていた。

大関英里

近藤唯

阿部里果

平山笑美

木戸衣吹

ステージでは本シリーズで恒例となったアイドル1人、キーワード3つを指定したスピンオフストーリーを5人がアドリブで作る大喜利ドラマコーナーも。登場するキャラクターとモチーフ3つをくじ引きで選ぶ三題噺のような構成だ。最初の二周はメイド喫茶で働く北上麗花などの話を無難にまとめた5人だったが、後半戦で爆発力を見せたのが木戸衣吹。四番手の「転」の位置で、「ところが瑞希ちゃんには隠し子がいたんです!」(この展開はやり直しがでた)、「美奈子ちゃんはロサンゼルスに向かいました!」などの斜め上からえぐりこむような急展開を連発。最後のチャレンジでは突然のロサンゼルス行きを振られた近藤が、お題を回収した後「美奈子ちゃんはその便座カバーを、雪だるまの首に巻いてあげました」となんだかいい話風のオチをなんとかつけると、会場は感嘆の歓声に包まれた。

そんなネタドラマだけでなく、ステージではCDドラマの後日談を語る"「魅裏怨」エピローグアフターストーリー"も。このドラマで抜群の演技力を発揮したのが阿部。アイドルたちが怪談話をするくだりで、怪談の定番・電話の向こうにいる「リトル瑞希」がだんだん近づいている様子を好演。最後のマイペースかつコミカルなオチも含めて、流石瑞希、流石阿部里果という芝居だった。どうしてもコミカルな方に流れがちなミリオン怪談だったが、最後は霊役の北上がガチ納涼体験で締めくくったのだった。

後半ではミニライブが行われ、新曲「赤い世界が消える頃」とシリーズ共通曲「DIAMOND DAYS」を披露。「赤い世界が消える頃」はホラー作品感を濃厚に漂わせる楽曲だが、冒頭赤い照明の中見せた幽霊のような、揃ったゾンビダンスのような動きは曲に本当にぴったりだ。かなり低音で勝負する楽曲、かつ歌唱力が強みのメンバーが揃っていたこともあり、大関の歌声の力強さ、阿部の瑞希としてはかなり声を張った歌唱などはとても新鮮だ。その中でセンターにふさわしい存在感を発していたのが木戸で、客席後方を射抜く視線や、後列からまっすぐセンターに歩み出る足取りなどがものすごく絵になった。

ラストの「DIAMOND DAYS」について大関は「大きなステージでみんなで歌うこと」を意識したそうだ。会場とステージがひとつになったクラップや、声を合わせて叫ぶ「イエーイ!」の大合唱がポイントの楽曲だけに、やはりこの曲はライブハウスで歌うことが一番映えるなと感じる。クライマックスの「最高!」のテンションも含め、今までで一番盛り上がったようにも感じた「DIAMOND DAYS」だった。

最後の挨拶では、今回も投票でキャスティングしてくれたプロデューサー(ファン)への感謝の声が聞かれた。本CDに木戸は休養中の種田梨沙(田中琴葉役)にかわっての出演となったが、「可奈ちゃんにしかできない"普通の子"役にしようと頑張りました」との言葉には自分の表現へのこだわりを感じたし、今日のステージは彼女の個性があってこそのものだった気がした。