12月17日・18日、東京・秋葉原でポタフェス2016冬が開催。Astell&Kernは、超高級ハイレゾプレーヤー「AK380」のステンレスきょう体モデル、「AK380 SS」を参考展示していた。価格や発売日など詳細は未定だが、専用アンプやキャリングケースを同梱したパッケージで販売する予定だという。

AK380 SSに専用アンプを装着したところ

専用アンプやキャリングケースとセットで販売予定

製品名の「SS」はステンレススチールのこと。Astell&Kernはこれまでに、銅製の「AK380 Copper」も発売しており、AK380 SSは「AK380」の素材違いシリーズ第2弾といえる。

ポタフェスでは一般来場者向けにAK380 SSの試聴機を開放していないが、特別に試聴の機会を得たので、ここにレポートしたい。今回は、ジュラルミン製のベースモデル「AK380」や、銅製の「AK380 Copper」と聴き比べてみた。なお、各モデルそれぞれに専用アンプを装着している。

左から、AK380、AK380 Copper、AK380 SS

AK380(ジュラルミン製)

「100」という情報を、ちゃんと「100」と表現する。とことんフラットでクセの無い、信頼できるサウンド。

AK380 Copper(銅製)

ボーカルから人間の温かみを引き出していくのが印象的。焙煎したてのコーヒーをハンドドリップして飲んだときのように、香りの泡がはじけていく感じ。ポジティブかつ芳醇で、奥行きのある音を味わえる。

AK380 SS(ステンレス製)

寒い日の朝みたいな、クリアで澄み切ったサウンド。とにかくボーカルの明瞭感が高く、ブレスをとことん美しく表現できる。全体的な見通しがいいので低域もきちんと前に出るが、いやらしさややりすぎ感がないところに「AK380」たる所以を感じる。

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驚いたのは、3機種とも再生ボタンを押した瞬間に、わかりやすく個性が出ること。聴き始めてすぐに違いがわかる。正直、「外側の素材で音までそんなに変わるもんかね」とナメていたのだが……本当にすみませんでしたと言いたい。

そして恐ろしいのは、「Copper」と「SS」を聴いてしまうと、ジュラルミン製のベースモデルがどこか物足りなく感じてしまうことだ。ベースモデルも「超弩急」の冠がふさわしい高級機のはずなのに、怖い。

ちなみに、AK380の発売当初の価格は499,980円、AK380 Copperは549,980円(いずれも税込)。AK380 SSはいったいいくらになるのだろうか、怖いけど気になる。