Bluetoothスピーカーを、50台同時に鳴らしたことありますか? 私はありませんでした、そもそも、50台同時に同じ音楽を鳴らせるBluetoothスピーカーなんて無いんですから……
そう、Ultimate EarsのBluetoothスピーカー以外はね!
すみません、おかしなテンションで始めてしまいました。
読者の皆様は、Ultimate EarsのBluetoothスピーカーに「PartyUp」なる機能が追加されていることをご存知でしょうか。
関連記事 : ロジクール、50台以上のスピーカーをワイヤレス接続できる「PartyUp」 |
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簡単に言うと、「50台以上のBluetoothスピーカーで同時に音を出せるようになったよ! 」という話で、発表された当初、編集部でかなり話題になりました。なぜかというと、
です。
50台もつなげて何するの? これ1台でまあまあ大きい音出るよね? そもそも50台なんて本当に接続できるの? あ、よく見たら「50台以上」って書いてあるじゃん! 50台以上って何台? いや、50台以上つなげるってどういう状況? あとこの「PartyUp」のイメージ画像もどういう状況?
わからないことは、やってみよう!
50台のスピーカーを並べよう
さて、今回の50台ペアリングチャレンジに必要なのは、「大きい音を出しても怒られない場所」です。
アメリカのどこかの国立公園に行くか(広そうだから)、いっそ水に沈めるか(防水IPX7だから)など思考が危ない方向に行きかけましたが、今回はロジクールの会議室をお借りすることができました。「50台のスピーカーを鳴らしたい」という無茶なお願いに快くOKしてくれたロジクールの広報さん、ありがとうございます。
そして、今回検証に使うスピーカーがこちらです。
多いですね。
PartyUpに対応しているスピーカーは、「UE BOOM」「UE BOOM 2」「UE MEGABOOM」の3機種。一番大きいのがUE MEGABOOMです。
ここからは、この大量のスピーカーを並べていきましょう。
ロジクールの広報さんと一緒に、地面に這いつくばりながら手を動かす! 動かす! 動かす!
ボウリングでいうと5レーン作れます。ロジクールの広報さんは「耐衝撃性を備えていますので、倒しても大丈夫ですよ! 」となんておっしゃっていましたが、むやみに倒すのはダメだと思います。
その後、いろいろな陣形を経て……
完成! 最終的には、10台×5列できれいに並べて落ち着きました。続いて、ペアリングを始めましょう。
50台のスピーカーをワイヤレス接続しよう
スピーカーのセットアップには、専用の「UE BOOM」アプリが必要です。50台すべてをiPhoneと直接つなげるわけではなく、親機となるスピーカーから他のスピーカーに信号を飛ばして次々と接続していきます。
まず親機を設定。今回は鮮やかなブルーが目をひくこの子を親機に任命しました。頼んだよ!
親機と他のスピーカーとの接続はアプリで管理。親機は画面中央に、接続圏内にあるスピーカーは画面下に表示されています。スピーカーのイラストをドラッグし、親機の周りにドロップすると接続が始まります。
筆者はせっかちなので、50台を一気にドロップ!
が、待てども待てどもつながらず……
広報さんによると、2~3台接続したらまた2~3台、という具合で、徐々につないでいくのがいいみたいです。言うとおりにしたら、10分もしないうちに51台つながりました(広報さんの私物スピーカー1台を含む)。せっかちはよくないですね。
音楽を再生しよう!
接続が完了したところで、さっそく音を鳴らしてみましょう! 手始めに、「交響曲第5番『運命』第1楽章」を流します。なぜかというと、横に広くズラリと並んでいる感じがオーケストラっぽいと思ったからです。iPhoneのミュージックアプリを起動して……
いくぞ! 再生!
音が強いです。強すぎます。
自宅にある手のひらサイズのBluetoothスピーカーを使うときと同じ音量レベルにしたはずなのですが……。いかんせんスピーカーが多いのと、UEシリーズ自体にもともとパワーがあるのとで、パワフル×50の計算式ができました。よって音圧がすさまじいです。
アラジンが魔法のランプを擦ったら、大きな魔人が現れた、そんなイメージが近いかもしれません。ミュージックアプリの再生ボタンを押したら、空間ごと圧倒する超パワフルサウンドがもくもくと沸いてきました。
その後、予想以上の音圧と音量にテンションが上がった筆者。つい、いろいろなタイプの曲をかけてみたくなってしまいました。以下、曲ごとに感想をまとめたのでご覧ください。
- 森山直太朗「さくら(独唱)」
森山直太朗が「BO」と言った瞬間に天井が「ビリビリビリビリィッ! 」と震えだす。 圧倒的音圧、圧倒的音量……! これは本当に独唱なのかー!? 50台なんだから五十唱なんじゃないのー!?
- 絢香「三日月」
声が束になって、というよりも、1本の柱になって響いてくる。ライブさながらの臨場感は、さすがUEシリーズ! そして、やはりビブラートに合わせて震える天井。会議室が絢香の歌唱力を必死で受け止めているのを感じる。
- 合唱曲「大地讃頌」
1台では決して出せない、この音の厚みよ。そういえばこのスピーカーの並び、中学時代の合唱祭を思い出すなあ。見える! 見えるぞ! 鮮やかなブルーの親機が「やたら仕切ってくるソプラノパートの女子」に見えてくるぞ!
- 宇野ゆう子「サザエさん」
サザエさんのオープニングテーマが、こんなにベースの効いた曲だなんて初めて知った。サビ後半で畳みかける「ル」の音が強すぎて、大根で頭を急にはたかれたかのようなを衝撃を受ける。
※諸事情で音楽を流しているところの動画が張れないので、写真でお送りしました
検証を終えて思ったのは「個室で50台も鳴らすものではない」ということです。今回使わせていただいた会議室の面積は10.0m×6.5m。スピーカー自体のポテンシャルが高いので、この広さの部屋なら1台ないしは2台あれば充分だと思います。
驚いたのは、スピーカー同士が部屋をまたいでいても接続できたこと。
筆者が親機の近くにあるスピーカーすべてを無差別に接続したため、会議室近くにあるロジクールのオフィスで、デスクに置いてあったスピーカーが急に鳴り出す事件が起きました。とりあえず、そのときの曲が「サザエさん」でないことを祈ります(平日夜のオフィスで休日っぽい音楽を流すのは無作法だと思うため)。とにかく、びっくりさせてしまい申し訳ありませんでした。
そして、「この音量と音圧、最強の目覚まし時計になるのでは……!」と思い 、その場で編集部・林に寝てもらったのですが
思いがけずスケールの大きい写真になりました。あと、南蔵院の大仏を思い出しました。
以上、50台ペアリングチャレンジの模様をお届けしましたが、ロジクールの広報さんによると「PartyUp」機能は屋外でのパーティ中などに使うのが良いそうですよ。始めからそうやって検証すればよかった! 100台ちょっとまで同時にペアリングできる、なんて話もあるので、興味のある人は試してみるといいかもしれません(気力があれば)。最後は、UE BOOMアプリの「Bluetooth接続を解除するときの画面」があまりにも粋だったので、そのスクリーンショットでお別れしたいと思います。それでは、さようなら!