ANAは12月15日、ドイツ・ハンブルクにてエアバスよりA320neo(new engine option)を日本の航空会社として初めて受領。初号機は17日に羽田空港に到着し、2017年1月中旬より、中国線などの近距離国際線の定期便に導入する。なお、受領後1月中旬までの間は、不定期に国内線へ投入する可能性もあるという。
ANAホールディングスは2014年3月、国際線の成長原資として7機のA320neoの発注を決定。この7機は2018年度にかけて受領を予定している。エアバス機材としてはこの他、4機のA321ceo、26機のA321neo、および3機のA380を発注している。この内、A321ceoは2016年11月に国内線で運航を開始した。
ANAが受領するA320neoは、ビジネスクラス8席、エコノミークラス138席の国際線仕様機。ビジネスクラスには電動リクライニングシートを採用し、エコノミークラスを含む全席でタッチパネル式パーソナルモニターを完備。機内インターネットサービス「ANA Wi-Fiサービス」も装備しており、小型機でありながら中・大型機並みの機内設備となっている。また、A320neoから新しいエンターテイメントシステムを採用し、モニターのデザイン性や操作性が格段に向上し、機内空間がより快適になるという。
A320neoに関しては現在、世界で14社が運航しており、今回ANAが日本で初めて導入する。なお、LCCのPeach Aviationも2016年11月18日に10機の購入契約を締結し、初号機は2019年夏までに受領を予定している。
A320ファミリーはこれまでに1万2,800機以上の受注を獲得し、約400社の顧客に7,250機以上を引き渡しているベストセラー単通路型機。エコノミークラスにおいて標準18インチの快適な座席を装備していることに加え、サイズの異なる4機種(A318、A319、A320、A321)で構成されており、100席から240席を設定することができる。
2010年12月にローンチされたA320neoファミリーは、新型エンジン(CFMインターナショナル社製「LEAP-1A」またはプラット・アンド・ホイットニー社製「PurePower PW1100G」)を搭載。大型のウイングチップである「シャークレット」も取り付けられている。これにより、初号機の商業運航開始時から最大15%燃費を削減、客室の改良とさらなるエンジン効率の改善によって、2020年までに20%の燃費削減を実現する。環境面においても、年間1機当たりCO2排出を5,000t削減し、従来機と比較して騒音をおよそ50%抑える。
加えて、A320neoは収容座席数を増加させるオプションを提供。新世代のスリムな座席の採用や、機体後部に化粧室とギャレー配置する「Space-Flex」、新しいドアの配置と客室床スペースを効率的な活用を最適化する「Smart-Lav」「Cabin-Flex」なども選べる。