JR東海はこのほど、在来線ホームへの可動柵設置に向け、2018年初頭から東海道本線金山駅で試作機の実証試験を行う計画を発表した。将来的には金山駅と刈谷駅の東海道本線ホームで設置をめざす。
同社は東海道新幹線「のぞみ」停車駅でホーム可動柵の設置を進めてきたが、在来線は車種や編成両数が多様でドア位置が異なり、新幹線より後れを取っていた。このため、在来線ホームの実情に合った可動柵の検討と開発を進めてきたという。
今回開発した試作機は、東海道新幹線と同様、左右に開閉するタイプの可動柵。同じ片側3ドアでも、車両の形式や連結の方法によってドアの位置が異なる名古屋地区の快速・普通電車が停車するホームを対象として制作された。列車ごとのドア位置の微妙なずれに対応するため、開口幅を4m以上確保し、他社の在来線で実用化されているものより広くした点が特徴。メーカー工場内などで動作試験を行った後、金山駅での実証試験に移行する。
この開発により、ホームに狭い場所があり、現在は万が一の転落事故に備えて転落検知マットの設置で対応している金山駅東海道本線ホームにおいて、今後約5年をめどに可動柵の設置をめざすことになる。同様に転落検知マットを導入している刈谷駅でも、今後計画している駅改修工事に合わせて可動柵を設置する方針としている。