新しく引っ越し先の物件を探している時、誰もが気になる条件といえば家賃。たとえ駅から近く、間取りも広い理想的な物件であっても、予算以上の物件には住めません。
しかし、もし交渉次第で賃貸物件であっても家賃を値引きしてもらえるとしたらどうでしょう? 今までよりも一つランクアップした素敵なお部屋に住めるかもしれません。そこで今回は、『賃貸生活A to Z』の著者であり、不動産に関する相談のプロフェッショナルである秋津智幸さんに、家賃交渉について詳しくお話を伺いました。
交渉次第で家賃を値引きは可能?
「意外に思うかもしれませんが、実は家賃交渉はわりと一般的なことなんですよ。やはり、交渉を遠慮したり、そもそも交渉できることを知らなかったりするお客さんも多いですけどね。大家さんからすれば長い期間空室の状態が続くのが一番損なので、真剣に値引きを考えてくれる場合は多いです。敷金・礼金に関しても、1ヶ月分だったのを0.5ヶ月分にするといった交渉も可能ではあります。ただ、最近は敷金・礼金がかからないゼロゼロ物件というものも多く、家賃交渉ほど一般的ではありません。また、管理費はまず値引き出来ません。理想に近い物件だけど、予算だけ超えてしまうといった時は、まず不動産仲介業者に相談してみるのがオススメです」
実際にどのくらい値引きしてもらえるのでしょうか?
「元の家賃の3~5%なら値引きしてもらえることは多いです。例えば、賃料が6万円の物件なら5万8000円といったように、2000円程度なら交渉も成功しやすいです」
交渉を成功させやすいポイントやコツはありますか?
「一番大切なのは交渉の時期です。新年度に向けて引っ越しが盛んになる1~3月は賃料を下げなくても入居してくれる人が多い時期なので、交渉は難しいですね。繁忙期でない4~12月が狙い時です。また、大前提として、家賃が下がるなら入居したいという気持ちがないと交渉は成功しません。大家さんとの信頼に関わることなので、不動産仲介業者も入居の意思がない人には応えてくれません。この2点に気をつければ、一人暮らし向けの1Rからファミリー向けの3LDKまで、どんな物件でも交渉の価値はあります」
毎月支払う家賃は大きな支出の一つ。それが交渉次第で少なくなるのは、何かと物入りな一人暮らしにとって嬉しいポイントですよね。新しく物件を探す際には、不動産仲介業者に気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
《取材協力》
秋津 智幸さま
不動産に関する各種コンサルティング業務を行う「不動産サポートオフィス」代表。物件の賃貸から売買まで、自宅から店舗や事務所までといった幅広い相談を受けるほか、セミナー講師(不動産投資セミナー、自宅購入向けセミナー等)としても活動中。著書に『賃貸生活A to Z』などがある。
http://2103-support.jp/