ジョンソンはこのほど、「アルコール系除菌剤によるインフルエンザウイルス除去試験」の結果を発表した。同試験は芝大門いまづクリニックの今津嘉宏院長監修のもと、10月18日~11月10日、北里環境科学センターで行われた。

拭き取りに使用したティッシュでのウイルスの比較

試験にはA型インフルエンザウイルスを付着させたステンレス板と滅菌水道水(以下、水)を含ませたティッシュ、アルコール系除菌剤を含ませたティッシュを用意。ステンレス板を、水を含ませたティッシュとアルコール系除菌剤を含ませたティッシュのそれぞれで拭き取り、インフルエンザウイルスが除去できているかを検証した。

その結果、ステンレス板のインフルエンザウイルスは、水を含ませたティッシュ、アルコール系除菌剤を含ませたティッシュの両方で、一定数の除去が認められたという。

しかし、水を含ませたティッシュでは、拭き取ったティッシュにインフルエンザウイルスが多く検出され、ウイルスがステンレス板からティッシュへ移動しただけということがわかった。一方、アルコール系除菌剤を含ませたティッシュに付いたインフルエンザウイルスは99.99%以上死滅していることが確認できたとのこと。

拭き取り前後のウイルス感染価

試験を監修した今津院長によると、「水拭き」では、拭き取った先のティッシュにウイルスが移動しただけで対策として不十分であるという。ティッシュにウイルスが移動してしまうと、いろいろな場所を繰り返し拭いた場合、ウイルスが広がってしまう危険性があるという。

「アルコール系除菌剤での拭き取りは、 拭いた部分、拭き取りに使用したティッシュともにウイルスが残らず、インフルエンザの接触感染対策として有用であると言えます」とコメントしている。